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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」結婚後の幸せを維持する「魔法の言葉」

ライフ・マネー 投稿日:2021.04.05 06:00FLASH編集部

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」結婚後の幸せを維持する「魔法の言葉」

 

「幸せ」というのは、人間にとって根源的かつ本質的で、人生を通して探究するに値するテーマといえます。前回は「幸福感とお金の関係」について取り上げました。

 

 復習しますと、

 

●幸福には「お金・成功」の幸福(ドーパミン的幸福)、「つながり」の幸福(オキシトシン的幸福)がある

 

●ドーパミン的幸福は、劣化しやすく長続きしない。オキシトシン的幸福は、劣化しづらく長続きしやすい

 

●「感謝の気持ちを持ってお金を使う」という具合に、ドーパミン的幸福とオキシトシン的幸福を掛け合わせることによって幸福感を持続させられるという内容でした。

 

 

 今回も「幸せ」について取り上げますが、テーマは「お金」の次に悩みの多い「結婚」や「夫婦関係」。「結婚すると幸せになれるのか?」「夫婦関係をよくするにはどうすればいいか?」という問題について考えたいと思います。

 

■「結婚の幸せ」は3年ともたない!?

 

 独身者にとって、最愛のパートナーと巡り合ってゴールインすることは、人生において一、二を争うほど重大な関心事でしょう。

 

 しかし、飲み会などの場で、結婚している同僚や友人たちの口から出てくるのは「配偶者」や「家族」についての愚痴ばかり。それを聞いて、結婚生活はなにかと「たいへんそう」という印象を持つ独身者は多いはずです。

 

 結婚と幸福の関係については、たくさんの研究があります。結婚と人生の満足度について調べた有名な研究結果が、冒頭のグラフです。

 

 これを見るとわかるように、結婚することによって一時的に「人生の満足度」はアップしますが、まもなくその幸福にも慣れてしまい、2年程度で満足度がマイナスになってしまうのです。

 

 結婚による幸せは3年ともたない!
 そう知って、結婚に憧れる独身の方はたいへんがっかりしたかもしれませんが……。

 

■「未婚者」より「既婚者」のほうが幸せ!?

 

 でも、ご安心ください。別の調査結果をご紹介しましょう。

 

 全国の成人男女2万659人に対し、未婚・既婚別に、自身の幸福度を1点から10点の10段階で評価してもらったところ、「既婚者」は「未婚者」に比べて、男性で1.62点、女性で1.06点、幸福度が高い結果となりました(パイプド総研調べ)。

 

 つまり、既婚者のほうが未婚者よりも幸福を実感しているというポジティブな結果が出たのです。

 

 なぜ、こうなるのでしょうか。ここでもカギを握るのが、「愛・つながり」の神経伝達物質・オキシトシンです。

 

「孤独」や「寂しさ」というのは、「幸せ」を減じる大きな要因となります。結婚して配偶者ができる。そして、子供ができる。配偶者や子供としっかりとしたつながりを構築できれば、オキシトシンが分泌され、幸福度がアップするのです。

 

 ただし、喧嘩が絶えないなど夫婦関係がよくない場合は、それが「ストレス」になって、オキシトシン的幸福が減る可能性があります。「結婚すれば、誰でも幸福になれる」といえるわけではなく、「結婚した後もしっかりとしたつながりを構築できれば、幸せになれる」。

 

 つまり、夫婦のつながりを強化する「取り組み」や互いの愛情の火を絶やさぬ「工夫」があってはじめて、幸せな夫婦になれるのです。

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