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【食堂のおばちゃんの人生相談】48歳・会社員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2021.04.05 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/悩める年男さん(48)会社員】
 40代で、いまだに独身です。ここ数年、仕事もプライベートも、まったくやる気が出ません。会社では、部下もいない窓際部署です。気分がすぐれない日は、「自分は生きる価値のない人間ではないか」と落ち込んでしまいます。

 

 

【山口先生のお答え】
 私は50歳のとき更年期鬱になって、2年間まったく小説が書けず、気分も落ち込む一方でした。あの頃は「死んでやる」とまでは思いませんでしたが毎日「死んでもいい」と思いました。朝起きると「どうして目が醒めたんだろう」と悔やみ、夜寝るときは「どうか二度と目が醒めませんように」と祈りつつ横になりました。

 

 だから年男さん、まず鬱病を疑って、精神科に相談して下さい。そしてあなたが鬱病でないという前提で申し上げます。偉人伝に出てくるような人は一世紀に数人で、残りはみんな五十歩百歩、ドングリの背比べなんです。みんなあなたと大して変わりません。

 

 あなたが夜の9時に落とし物を拾ってあげたAさんが殺人容疑で逮捕され、あなたの証言で濡れ衣が晴れる場合だってあります。だからあなたがこの世に生きる価値は充分にあるんです。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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