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日本最強の城を戦闘力、防御力、城主力で判定…3位は大坂城、2位は安土城、1位は?

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.05.09 11:00 最終更新日:2021.05.09 11:00

日本最強の城を戦闘力、防御力、城主力で判定…3位は大坂城、2位は安土城、1位は?

4位の熊本城(熊本県)

 

■震災の被害を受けるも今月末から天守を公開

 

 4位は、熊本地震で大きな被害を受け、約5年に及ぶ改修工事がおこなわれていた熊本。4月26日から復旧した天守の特別公開が始まる。

 

「敵の侵入経路を折れ曲がったものにさせるため、縄張が非常に複雑。

 

 本丸の天守に入る前に御殿の下を通らなくてはいけなかったりと、なかなか突破できない。あとは高石垣。石垣が高いと、侵入しにくいのです」

 

 縄張とは、曲輪の配置や大きさや形状、天守や櫓の門の位置、形式など全体の設計プランのこと。熊本城はくねくねしていて、攻め込みにくい縄張が採用されている。

 

 同じく4位は名古屋城。将軍家、徳川氏の城である。

 

「現状は何も残っていないんですが、本丸の周りを多門櫓という屋根つきの櫓で囲んでいるので、それを突破しない限りは侵入できません。

 

 反撃に関しては、外に出にくい構造ですが、空堀から討って出たり、通路にすることもできる。空堀と水堀をうまく使える城です」

 

 6位は広島城。原爆により倒壊したが、1958年に五重5階の望楼型天守が再建された。

 

「櫓の数が多く、周辺をしっかり守れますし、中州に造られているため川にも守られている構造。防御力は高く、籠城戦に向いた造りです」

 

 7位は彦根城。「山頂に建てられており、山全部が城であるのと、登り石垣といって、山を登っていく感じの石垣に囲まれ、敵がほとんど城内に入り込めない。城主も譜代筆頭の井伊家なので、実力があります」

 

 同じく7位は国宝・姫路城。「外郭が広いのと、連立式といって大天守1つに小天守が3つもあります。

 

 そこを突破して中庭に入らないと、天守を攻略できません。内部の縄張も複雑で、天守自体の防御力なら日本の城のなかでいちばん高いかもしれません」

 

●小和田氏おすすめは湿地帯にある “浮き城”

 

 9位は、広大な小田原城。
「総構が大きく、周囲は9kmと城の敷地自体が広大なため、兵士を多く配置でき、反撃力も高い。幕末には3基の砲台まであったくらいです」

 

 10位は岐阜城だ。
「天守まで麓から高低差が300メートルほどあるので、なかなか攻めにくい城です。歴代の城主に信長や、その孫がおり、鉄壁の防御力を誇った城です」

 

 ベスト10入りの城は、「どれがトップになってもおかしくない」と、小和田氏は語る。

 

「大事なのは立地で、台地や川の地形を利用したり山頂に建てるなど工夫されています」

 

 ほかに、攻防一体型で隙がない11位の会津若松城や、16位の今治城などを挙げる。

 

「会津若松城は石垣が高く堀に幅があり、出丸があるので外にも討って出やすい。本丸を3つの郭で守っていて縄張も実戦的。総構で防御力も高い。

 

 城主も松平一門ですしね。今治城は、海から水を引いて堀を造っている城です。堀幅が広く、なかなか侵入されにくい。海城ですから城の中から軍船の出入りもできて、攻守にバランスがいいですね」

 

 防御特化型では、20位の福山城の評価が高い。
「櫓が多くて守りが堅い城です。西国の大名を抑えるために幕府が築いた城なので、堅牢な造りになっています」

 

 また、湿地帯に囲まれ、防御力が高い25位の忍城は、小和田氏おすすめの城。
「『浮き城』と呼ばれ、湿地帯に囲まれていたため非常に攻めにくい城でした」

 

 26位の柳川城や、29位の佐賀城も湿地帯や水路に守られ、防御力の高い城だという。

 

 現地に足を運び、この城をどう攻略するのか、どうやって守るのか、と思いを馳せるのも城巡りの醍醐味のひとつといえる。

 

おわだやすつね
1972年、東京都出身 歴史作家、歴史研究家。父は静岡大学名誉教授の小和田哲男氏。静岡英和学院大学、早稲田エクステンションセンター講師。2017年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に資料提供者として参加。歴史関連の著書多数

 

※次ページから、30城の詳細をまとめます。

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