そして、「プラン1」のように、散髪代や趣味、娯楽に関する費用を少しずつ見直していく。こうして支出を管理することで、月1万9000円を浮かせることができる。
「プラン2」は、よりハードに節約した場合の例。完全禁酒・禁煙ができれば月々2万4000円もの額を浮かせることができる。
反対に、酒やタバコはできるだけ我慢したくないという人は、イージーモードともいうべき「プラン3」を参考にしてみてほしい。
こうして浮いたお金は、ただ貯めるのではなく、「資産運用」へ回すことを考えよう。
「資産運用は、いまや一部の資産家がやるものではありません。また、個別の株を買うようなものばかりが、資産運用でもありません。私のところにも、月々3000円を運用したいと相談に来られる方が増えています」
■10年間の運用で50万円以上の差がつく!
月に1万9000円でも、十分に運用に使える金額なのだ。
「たとえば『つみたてNISA』なら、1カ月100円から投資が可能で、年間の投資上限額は40万円と少額です。
さらに、課税口座で購入した投資信託では運用益に対して約20%の税金がかかりますが、『つみたてNISA』は20年間、運用益が非課税になる制度なので、ぴったりです。
月々1万9000円を4%で運用すると、10年後に得られるのは利益も含めて約280万円。ただ貯金した場合の合計額は228万円ですから、50万円以上の差額になります。
さらに、プラン2のスタイルで節約して、月々2万4000円を運用できれば、10年で約353万円を達成できます」
投資は自己責任でおこなうものだが、運用期間を15年まで延ばせば、月々1万9000円の場合は約466万円、2万4000円なら約589万円、つまり600万円近くにまで跳ね上がる。
これは元本と利息の合計に、さらに利息がつく複利効果による恩恵だ。
「お金はただ置いておいても増えませんが、貯金のように毎月、コツコツ積み立てていくことで、10年後には100万円単位のへそくりに変わります。
『へそくり』というと、隠し事をしているように聞こえるかもしれませんが、小遣いの中でやりくりして、10年後にまとまったお金を作り出していけたら、目先のことだけ考えて手元に1円も残っていない人に比べて、単純にカッコいいと思いませんか? その一部で奥さんにプレゼントでもしたら、夫としての株も上がりそうです」
いまから1000円単位の節約を頑張れるかどうかで、10年後が変わる。あなたも「書き込み式」節約シートに小遣いの状況を書き込んで、見直してみよう。改善の余地は、まだあるかもしれない!
(週刊FLASH 2021年4月27日号)