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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」『逃げ恥』に学ぶ、夫婦関係がうまくいく3カ条

ライフ・マネー 投稿日:2021.06.07 06:00FLASH編集部

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」『逃げ恥』に学ぶ、夫婦関係がうまくいく3カ条

夫婦関係がうまくいく3つのコツ

 

■ポジティブな書き込みばかり

 

 5月19日、テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年、TBS系/以下、『逃げ恥』)で共演していた、女優の新垣結衣さん(通称、ガッキー)と歌手で俳優の星野源さんが、結婚することを発表しました。コロナ禍で「悪いニュース」ばかりが報じられる昨今、久しぶりの「よいニュース」で、メディアにも大きく取り上げられました。

 

 有名人の結婚報道の場合、SNSなどへのネガティブな書き込みが多くを占めることもありますが、今回は、祝福ムードのポジティブな書き込みが大勢を占めたことも興味深く感じました。

 

 

 私は精神科医なので、芸能ニュースもついつい心理学的に分析してしまいます。ガッキー&星野さんの結婚についてもそうで、日本人の多くが支持したのはなぜかがとても気になるのです。

 

 録画を含めた総合視聴率が30%超えを記録した『逃げ恥』が放送されたのは5年前。ドラマのエンディングに流れる「恋ダンス」が大ブームになるなど、国民的ドラマと言っても過言ではないでしょう。

 

 ガッキー&星野さんという魅力的な2人が織りなす「恋愛ドラマ」のドキドキ、ワクワクもさることながら、その深いテーマにも注目が集まりました。

 

『逃げ恥』の脚本を書いたのは、ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)、映画『罪の声』などを手がけた野木亜紀子さん。彼女の「攻めた脚本」が、ドラマに厚みを持たせたことは間違いありません。

 

■理想の夫婦像を投影!?

 

 ドラマの中で契約結婚をするガッキー&星野さんを通して、視聴者は「結婚とは何か」について考えさせられました。そして、「夫婦の家事分担はどうあるべきか」を入口に、「夫婦のあり方」についても問われたのです。

 

 昨今「男女平等」「男女同権」の考えが進み、男女の「同一労働同一賃金」についても注目されています。あるいは、男女に限らず、LGBTなども含めた「ジェンダーフリー」について、テレビや雑誌などで取り上げられることが増えています。

 

 5年前にも当然、「男女平等/男女同権」の問題は語られていましたが、現在では、はるかに現実的で、身近な問題になっています。

 

 その意味で、男女のあり方、夫婦の関係について、「未来を予見した」、あるいは「時代を先取りした」作品が、『逃げ恥』といえるのです。

 

 互いを尊重し、何事も話し合いで解決する『逃げ恥』の「夫婦スタイル」。視聴者の多くはそこに、「そうなりたい」「そうありたい」という理想の夫婦像を投影していた。その理想を、実際の2人が実現してくれそうな予感があったからこそ、今回のウエルカムな空気が生まれたと思うのです。

 

 そこで今回は、2人の結婚にちなんで、『逃げ恥』から学ぶ、夫婦関係がうまくいく3つのコツを紹介したいと思います。

 

■(1)定期的な「夫婦会議」

 

『逃げ恥』では、独身の2人が「契約結婚」(見せかけの結婚)をすればお互いに大きなメリットがある、という点で一致し、不思議な同棲を始めるところから物語がスタートします。

 

 そして、最終話で2人は自分たちの夫婦関係を「企業」に擬して、夫も妻も共同経営責任者と考え、週に一度の「経営会議」をおこない、さまざまな問題を会議、話し合いで決めていくようにします。つまり、いうなれば「夫婦会議」。

 

「なんでも言葉に出して相談する」ということですが、これが実際の夫婦においては非常に難しい。

 

「夫婦だからなんでも話せる」と思いきや、「夫婦だからこそ話せない」こともあるし、「(言葉に出さなくても)わかってくれているはず」という相手への期待が、逆に心が離れていく原因にもなるからです。

 

 あるいは、言いたいことを言い合うと、すぐに「夫婦喧嘩」になってしまう、という夫婦も多いでしょう。

 

 そうした事態を避けるためにも、週1回ないしは月1回、定期的に「夫婦会議」「家族会議」の場をもうけ、その決められた「場」の中で、感情的にならずに、互いの「意見」「考え」を言い合うことをおすすめします。

 

 そうすると、互いにメンタル的な「ガス抜き」ができるので、夫婦円満のためにはきわめてよい方法だと思います。「なんでも話す習慣」が「なんでも話せる関係」へと進展していくのです。

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