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食堂のおばちゃんの人生相談「一戸建てを夢見る妻…ローンは無理!」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.25 11:00 最終更新日:2021.06.25 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ライト兄弟さん(42)会社員】
ずっと賃貸生活を続けているが、妻が最近一戸建てのチラシを熱心に見ている。この不況下、会社がどうなるかも分からないのに、とても家のローンは背負えない。妻の気を逸らすにはどうしたら良いのでしょう? ちなみにセックスレスなので、夜のお勤めでは駄目(苦笑)。
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【山口先生のお答え】
う~ん。それはお辛いですねえ。
しかしライト兄弟さん、あなたは賢明です。この難局を「妻の気を逸らす」ことで乗り切ろうとするしたたかさが頼もしいです。
人間の欲望の行き着く先は、古来「呑む・打つ・買う」と決まっています。 学問や芸術に情熱を燃やす人もいますが、それは「打つ」と「買う」の変形と思えば分かりやすいでしょう。
奥さんの関心を一戸建てから逸らすには、ちょっと前なら「韓流」が一番でしたね。ヨン様の追っかけで韓国旅行をすればお金がかかります。当然、家のローンにお金を回してられませんよね。そこまで行かなくても、頻繁に新大久保に出掛けてK-POPのスターを応援していれば、毎日ウキウキ・ドキドキで、一戸建てなんか頭から消えてしまったでしょう。
ただ、残念なことに今や「韓流」は下火です。で、ここは一つ、ジャニーズとか向井理とか斎藤工とか、奥さんがときめきそうな対象を提示して上げるのがよろしいと思います。
しかし「打つ」にだけは手を出さないように、気をつけて下さい。色の道はどれほどのめり込んでも、ある日急に「私、何やってんだろう」と目が覚めますが、賭け事は底なしです。一気に多重債務と自己破産へ堕ちてしまいます。
極論ですが、日本の場合「持ち家を諦める」だけで、様々なしがらみから解放されて、楽になれるような気がするのです。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中