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食堂のおばちゃんの人生相談「亡くなった弟が700万円も貸していた」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.28 11:00 最終更新日:2021.06.28 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/月見草さん(73)無職】
独身の弟が亡くなり、遺品を整理していたら、数人の身内に約700万円も貸していることが分かりました。問い質すと返したと言うのですが、返済された形跡はなく、信用貸しで証拠もありません。年金暮らしの私が遺産相続ゼロで弟の供養をしていますが、諦めるしかないのでしょうか?
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【山口先生のお答え】
信用貸しで700万円も貸してしまった弟さんは、きっと気の弱いお人好しだったのでしょう。もし弟さんがご存命だったとしても、相手がキチンと返済したかどうか、心許ない気がします。
月見草さんとしては腹の虫が治まらないでしょう。自分だけが貧乏くじを引かされたと思っておられるでしょうね。良く分かります。
でも、お天道様は見ています。
私は苦労というものは、それを背負えるだけの強い肩を持った人間が、より多く担うべきだと持っています。割に合わない話だけど、仕方ない。
強い人間はちょっと損をするくらいで丁度良いのです。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中