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食堂のおばちゃんの人生相談「彼女がプロレス観戦にNO」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.02 11:00 最終更新日:2021.07.02 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ピロ斉藤さん(39)会社員】
彼女が一緒にプロレスを観戦してくれません。どうしたら会場へ連れて行くことが出来ますか?
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【山口先生のお答え】
ピロさんにお伺いしたいのは、彼女が所謂食わず嫌いでなのか、それとも一度プロレスを観に行って懲りてしまったのか、です。
後者の場合はちょっと難しいかも知れませんが、食わず嫌いなら話は簡単。「プロレスを観に行くと良いことがある」という意識を植え付けちゃえば良いんです。
たとえば、観戦後にいつもよりムードの良いレストランで食事を御馳走するとか、いつもより高級なホテルで高度なテクニックを駆使したセックスをするとか。連休前ならそのまま旅行へ出発するのも良いじゃないですか。試合前「当日これを身に着けて」と、新しい靴や小物をプレゼントしてあげるのも良いですねえ。
何だか私の妄想を列挙しているみたいですが、でも、女ってこういう心遣いに弱いんですよ。
そして、一度一緒に観戦すれば、自ずと生で観るプロレスの面白さに目覚めてくると思います。
私の勤めていた丸の内新聞事業協同組合に、H君というボクシングのプロテストに合格した青年がいて、8回戦ボーイまで行きました。私は試合の度にリングサイドでH君を応援しているうちに、だんだん目が肥えて、ボクシングそのものの面白さも分かるようになりました。H君が居なければ後楽園ホールのあの独特の雰囲気を一生知らずにいたでしょう。去年引退してしまったけど、H君、ありがとう。
まあ、上手く言いくるめるか餌で釣るかして、一度彼女に生の試合を見せてあげましょう。食わず嫌いはもったいないですよ。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中