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怖い話を「1個100円」で取引中! 尼崎で繁盛する「怪談売買所」意外な収支
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.27 11:00 最終更新日:2021.07.27 11:00
兵庫県尼崎市の商店街・三和市場の一角ーー。
怪しげな店構えでたたずむのは「怪談売買所」だ。このお店はその名の通り、「怖い話」を聞きたい客には、店主で怪談作家の宇津呂鹿太郎さん(48)が「怪談」を1個100円で披露し、「怖い話」を持ち寄った客からはその話を聞き、同様に1個100円で買い取る“怪談の取引所”だという。
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2013年に三和市場のイベントスペースで始まったこの「怪談売買所」。その後、商店街で正式に出店し、8回めの夏を迎えようとしている。
「店を出す以前から『売買所』を作ることをイメージはしていました。怪談というのは、実際に体験された人にとにかく会って、お話を聞かないと集まりません。話を集める機会を増やしたいと思っていたんです。
どうすれば、効率よくできるかを考えたときに『お店があって、店主として自分がいたらいいじゃないか』と思い、店を出すことにしました。どんなに長い話でも短い話でも、実話であれば100円で買い取ります」(宇津呂さん・以下同)
人から話を聞き、それを買い取るという物珍しい“商い”は、徐々に噂が広がっていった。
「お客さんは関西近辺だけでなく、遠いところからも多く来てくださっています。お客さんの7〜8割は“売りにくる人”たちなんです。店の収支だけで見たら正直、『商売あがったり』なんですが(笑)。
でも、“買いにくる人”たちも、僕が怪談を披露すると『怖かった〜』『もっと聞きたい』と喜んでくれる人が多くて、みなさんの怖い話を聞きたいという欲求を満たすことができているかな、と思います」
モットーとして“実話”の怪談にこだわっているという宇津呂さん。「怪談売買所」でも怪奇現象をたびたび体験しているという。
「お話を聞いて100円をお支払いしたあとに、お客さんから『さっき自分が話している最中に、誰か店に入ってきましたよね?』と言われることがたまにあるんですよ。
お客さんいわく『足音がして、自分の後ろで誰かがピタッと立つ気配を感じた。話を終えたら、気配がなくなった』と言うんです。
あとは『店の奥に人の気配を感じた』とか『奥から女の人が何度か覗いていた』と言う方もいらっしゃいます。そんな人がいるはずがないんですが……。
とにかく人に話す機会がなくてモヤモヤしている方の『怪談駆け込み寺』を今後は目指していきたいです」
帰るときは、心も体も“すっきり”できるはずーー。