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食堂のおばちゃんの人生相談「50年間 “妻とだけ” を貫いたが…」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.13 11:00 最終更新日:2021.08.13 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/K・Mさん】
私は結婚以来50年 “一穴主義” を守って暮らしてきました。ところが最近、妻が “お褥ご辞退” を申し出て、私が無理に求めると抵抗した挙げ句「そんなにしたかったら誰かほかの女性に頼みなさい!」と言いました。私はある未亡人と巡り会い、首尾は上々です。そうしたら今度は妻が焼きもちを焼いて不機嫌で困ります。山口先生、よきアドバイスをお願いします。
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【山口先生のお答え】
K・Mさんのお話を伺って、私は大変感動しております。
「結婚以来50年」ということは、あなたは70代のはずですね。それがいまだに奥さんに無理に求めようとするほど現役で、しかも奥さんに拒否されたらすぐ、ある未亡人と出会ってラブラブに……。
このコーナーを読んでいる男性の皆さんは、きっとあなたを羨ましく思い、その快挙に拍手喝采しているでしょう。某週刊誌の「死ぬまでセックス」を実践しているわけですから。
そしてまた、私も私の持論が証明されたことを嬉しく思っています。すなわち、類は友を呼ぶ。金は金を呼び、不運は不運を呼び、セックスはセックスを呼ぶ。リアル “セックスを呼ぶ男” 万歳!
ついでに申し上げれば、相手が替わればその気になる男性は多いと思いますが、一穴主義で50年も現役というのは尋常ではありません。これは選ばれたモノ、選ばれた人だけの特権です。
で、奥さんの不機嫌は仕方ないです。50年の実績に免じて許してもらいましょう。私からもひと言。
「ねえ、奥さん、ご主人は定年延長後も働いたんだから、これからはもう、大目に見てあげてくださいよ」
さらに言えば、奥さんの焼きもちは必ずしもあなたの浮気だけが理由ではないと思います。あなたが誰かとラブラブで、自分より幸せなのが許せないのではないでしょうか?
もしあなたの関心が未亡人ではなく、盆栽や城巡りに向かったとしても、あなたが毎日ご機嫌で暮らしているのを見るうちに、何故かイライラしてきて機嫌が悪くなったかも知れません。
奥さんの機嫌を直す方法はただ一つ、あなたの未亡人に匹敵する存在、言い換えれば老後の楽しみを見つけてあげることです。フラダンスとか、パッチワークとか、コーラスとか、新日本舞踊とか、奥さんが楽しんで時間を費やせるものが、探せば何か見つかる……といいですね。
それにしても、まことにご立派で羨ましいと思うのは、あなたの衰えることを知らぬセックスへの情熱です。どうしたらその情熱を持ち続けられるのか “面倒臭いからセックスしたくない” と言う現代の若者に秘訣を教えてあげてほしいです。
私はといえば、“類は友を呼ぶ” で、仲がいいのは “非恋愛体質” の男女ばっかりです。みんな男出入りも女出入りもありません。私はもうすぐセックスレス歴四半世紀……って、不幸自慢?
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中