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食堂のおばちゃんの人生相談「弟が金を返さない」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.27 11:00 最終更新日:2021.08.27 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/お人好し仮面さん(56)自営業】
数年前、弟に400万円貸しましたが、最近は返済も滞っています。肉親の情に免じて、くれてやったものと思って諦めるべきなのでしょうか。途方に暮れております。
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【山口先生のお答え】
正直に申し上げると、あなたが諦めなくても、弟さんには返済する能力がないと思います。もし、きちんと返せるあてがあるのなら、肉親に頼らなくても銀行から融資を受けられるでしょう。肉親に頼ったという時点で、返せる見込みは薄いように思います。
これから先の弟さんとあなたの関係は、それこそお互いの相性次第です。“ダメな奴だけどほっとけない” 弟なのか、“昔から迷惑ばっかりかけられて、もう顔も見たくない” 弟なのか……。
肉親というのは血が濃いだけに、一度こじれると他人以上にこじれてしまいます。私はあなたのことも弟さんのことも存じ上げないので、軽々に言うことはできませんが、ひとつ肝に銘じていただきたいのは、ご自身にとっての優先順位を自覚することです。
妻子、親、兄弟、仕事、恋、友情……全部にいい顔はできません。
優先順位をはっきりさせた上で対処なされば、周囲がどのように反応しても、あなたご自身が後悔することはないはずです。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中