精神科医・樺沢紫苑の「読む！エナジードリンク」自分が発するマイナスエネルギーに要注意！SNSの悪口は100倍で返る

 

■悪口を言うとストレスが増える！

 

　メンタリストDaiGo氏によるホームレスや生活保護受給者に対する差別的発言は、本人の想像を超える大炎上へと発展し、1カ月ほどたった現在もいまだくすぶっています。YouTubeでの一瞬の発言が、なぜこんな大騒動に発展したのか？　

 

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　ネット上でさまざまな分析、解説が出ていますが、私のそれはシンプルです。「リアルの悪口は10倍返し、SNSの悪口は100倍返しで自分に返る」という法則があり、それが現実化したというのが私の見立てです。

 

　悪口、誹謗中傷、感情的な批判、相手を不快にする言葉・表現・写真・動画、過度のネガティブ発言、誰かを貶める噂話……。こうした相手を不快にする言動のすべてを、わかりやすくひと言でまとめて、ここでは悪口と表現します。

 

　悪口は百害あって一利なし。人の悪口はストレス発散にはならず、逆にストレスホルモンが分泌されます。実際に悪口の多い人は、そうでない人よりも寿命が5年短いという調査結果もあります。

 

　こうした話は、私も何度もしていますが、残念ながら、悪口が大好きな “悪口星人” がたくさんいる現状を変えるには至っていません。それは、ツイッターを1分でも眺めれば、誰にでもわかることです。

 

　悪口はメンタルにも健康にもよくないし、人間関係を破壊する。自分の「人生がうまくいかない」大きな原因になっているにもかかわらず、ほとんどの人がそれに気づいていない。

 

　ということで今回は、あらためて悪口のデメリット、特にSNSに悪口投稿をするデメリットをお伝えします。

 

■100倍どころか1万倍返し

 

　くり返しますが、「リアルの悪口は10倍返し、SNSの悪口は100倍返しで自分に返る」……この「100倍返しの法則」をよく覚えておいてほしいのです。それだけで、悪口がもたらすさまざまな「災い」を避けることができるでしょう。

 

　この法則は、私が経験的に導き出したものです。

 

　私が初めて自分のホームページを作ってから23年。ブログ、ツイッター、フェイスブック、YouTubeなどに取り組み、毎日投稿を続けて17年。60万人以上のフォロワーに対する情報発信を続けている実績……。そんな圧倒的な経験値から導かれた法則なので間違いないと断言できます。

 

　もし間違いがあるとするならば、SNSでの悪口は時として100倍どころか1000倍返し、あるいは1万倍返しで返ってきて、人生において再起不能なレベルのダメージを受ける恐れもある、ということ。「100倍返し」では控えめすぎる表現といっていいでしょう。

 

　ものをもらったり親切にされたりなど、他人の好意を受けた人はその「好意をお返ししたい」という気持ちになります。これを「好意の返報性」といいます。

 

　逆に人に悪口を言われたり、攻撃されたりすると「やり返したい」という気持ちになります。それが「悪意の返報性」です。「バカヤロー！」と言われたら「なんだ、バカヤロー！」と言い返したくなりますね。売り言葉に買い言葉、というやつです。笑顔で「ああ、そう」とスルーできる人は、非常に少ないはずです。