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食堂のおばちゃんの人生相談「心臓がバクバクするほど苦手な人が職場にいる」

ライフ・マネー 投稿日:2021.10.18 11:00FLASH編集部

食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/ひろママさん(49)パート】

 

 山口さんは勤務先で苦手な人はいましたか? 私はその人の姿を見ただけで心臓がバクバクするほど嫌い(苦手)な人が同じ職場にいます。どう対応したら?

 

 

【山口先生のお答え】

 

 もちろんいました。一人は宝石店の派遣店員をしているときの店長、もう一人は先頃退職した社員食堂にパート採用されたとき、正社員で働いていた先輩です。二人とも非常に攻撃的な性格で、攻撃する標的がないと精神的に落ち着かない様子でした。標的にされた人は次々退職に追い込まれ、やがて私の番が来たというわけです。二人とも存命なので詳しくは書きませんが、とにかく筆舌に尽くしがたい思いをさせられました。

 

 宝石店のときは、退職することにしました。人事権のある上司に攻撃の標的にされた以上、もはや浮かぶ瀬はなく、退職するまで攻撃は止まないからです。

 

 食堂のときは耐える決心をしました。先輩は正社員ではありましたが人事権はなく、私をクビにする権限がなかったからです。それにパート勤務は1日5時間・週5日でしたから、週25時間我慢すれば、後はその人と関係なく暮らせるわけです。だったら我慢しようと思いました。私の年齢と経歴で、あの食堂ほど高い時給と待遇を保証してくれる職場はありませんでしたから。

 

 先輩に何か言われるたびに「いくら威張ったって髪の毛一本動かす権限もないくせに」と腹の中でせせら笑っていました。軽蔑が心を守ってくれて、何をされても心は少しも傷つきませんでした。

 

 ひろママさん、もし苦手な人が人事権のある上司なら、ユニオンに相談しましょう。でも、ただの同僚、先輩なら、思いっきりバカにしてやればいいのです。そうすれば少しも怖くありません。

 

 私の場合は相手がエスカレートしすぎて上司に注意され、大喧嘩して退職してくれました。あのときは神様はいると思いましたね。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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