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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」ビジネス書を自分の血肉にする「深読」の技術

ライフ・マネー 投稿日:2021.11.01 06:00FLASH編集部

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」ビジネス書を自分の血肉にする「深読」の技術

気づきの記録がいい読書につながる

 

(3)3つの「気づき」と3つの「To Do」を書く

 

「本を読んでアウトプットしよう」といっても、そもそも何をアウトプットしていいかわからない人が多いでしょう。そこで、私は以下のフォーマットをおすすめしています。

 

●本を読んだら3つの「気づき」を書く。
●本を読んだら3つの「To Do」を書く。
●それぞれ1行程度、合計6行で書く。

 

 たった6行ですから、本をパラパラ見返して、5分もあればできるはずです。

 

「気づき」というのは、「ああ、そうか!」「こんなこと、初めて知った」という発見、あるいは「これは、おもしろい!」と心を動かされた感動です。

 

「To Do」とは、「やるべきこと」「すべきこと」。その本を読んで「今日から実行したい」「生活や仕事に取り入れたい」と思ったことを、「To Doリスト」「タスクリスト」の形式で、短くシンプルに書きます。

 

(4)1週間で3つのTo Doを実行する

 

 3つTo Doを書いたら、それを自分が毎日見る手帳、スマホのメモなどに転記します。そのTo Doを今週1週間の目標として、常に意識し、できるだけ行動化していくのです。

 

 そのためには、漠然としたTo Doではなく、具体的でシンプルに書く必要があります。たとえば、時間術の本を読んで「集中力の高い始業開始直後に、メールチェックをするのは、時間の無駄」という気づきを得たとします。

 

 そこで、「始業開始直後はメールチェックしない」というTo Doを書きたくなりますが、それではダメなのです。

 

「始業開始直後って何分後? 30分後ならOK?」「重要なメールを1通でも返信したらダメ?」……。漠然としたTo Doだと、達成できたかどうか判定しづらいので、結局は行動できない、続けられないのです。

 

「始業開始1時間以内のメールチェックは、5分以内で終わらせる」と具体的に書けば、かなり実行しやすくなるでしょう。最初から「ゼロにする」という目標は、とうてい無理です。目標は低めに設定し「小さく」行動化していくのがコツです。

 

(5)3+3読書術

 

 1週間で3つのTo Doを設定し、行動していく。1週間後にそれらをどれだけ達成できたかチェックし、フィードバックします。できなかった場合は、できなかった理由を考え、目標が高すぎた場合はTo Doを書き換える。

 

 3つのTo Doをすべてクリアできたならば、その本を再度見返し、さらに3つ新しいTo Doを書き出して、今週の目標とします。これを3週間繰り返します。3+3+3=9。最初の1週間を読書期間とすれば、1カ月でその本の内容から9個のノウハウが行動化され、自分の生活習慣に組み込まれるのです。

 

 つまり、1冊の本を1カ月かけて深読し、アウトプットし、じっくりと行動化し、味わいつくしてほしいのです。

 

 

かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

 

イラスト・浜本ひろし

 

(週刊FLASH 2021年11月9日・16日号)

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