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就職氷河期で建築の仕事がない!困ってジュエリー作家になったライフ・マネー 投稿日:2017.02.23 20:00

就職氷河期で建築の仕事がない!困ってジュエリー作家になった

『写真:AFLO』

 

 ある日突然転機は訪れ、意外な道へ人を連れていく。一級建築士、フィンランド、職人を結びつけたものとは?

 転機だらけで、どこから話せばいいのか…」と困った顔をした高橋正明さん(44)。御徒町にある「2k540 AKI-OKA ARTISAN」内の、ティアラ(王冠) やアクセサリーが輝くアトリエ・ショップ「MASAAKi TAKAHASHi」でのことだ。

 

 高橋さんは2014年にショップを開くまではジュエリー作家と一級建築士の二足のわらじを履いてきた。今は設計の仕事は断わり、ジュエリーの製作と、伝統的な「よせもの」の技術を残すことに力を入れている。

 

☆ 第1打席〈見送り三振〉

 

 高橋さんの最初の転機は中学卒業時に訪れた。ファッションを学びたくてニューヨークにあるパーソンズ服飾専門学校への留学を希望したのだ。早く手に職をつけて就職したかった。ところが、ふだんは「夢を持て」と言う父親が「高校は出ておけ」といって認めなかった。

 

☆ 第2打席〈フォアボール〉

 

 次の転機は高校卒業時だ。一時期政治に興味を持ち、生徒会長になって文化祭や体育祭などを盛り上げた。しかし政治向きではないことがわかり、ファッションへの情熱が再燃。3年生のとき、文化服装学院に行きたいと、父親ともめた。

 

「『大学に行くなら金を出すが、専門学校はだめだ』。父はアクセサリーを作る職人ですが、その前はショップで洋服の販売などをしており、服飾業界は儲からないからやめろということのようでした。それでファッションに近いのは何かと考えて、建築を選びました」(高橋さん)

 

 高橋さんは高校で3人だけの推薦枠に入り、日本大学理工学部建築学科へ入学。建築のおもしろさにとりつかれて大学院まで進んだ。そこで突然次の転機が訪れた。

 

☆ 第3打席〈ソロホームラン〉

 

 2年生のとき、英語ができるからという理由だけで、大学のワークショップに招かれた外国の建築家を成田まで迎えに行かされたのである。それがフィンランドの有名な建築家、ユハ・レイヴィスカだった。もっとも高橋さんはユハのことをまったく知らなかった。ユハのすすめで予定していなかったワークショップに参加し、2週間の期間中に人生が一変した。卒業したらユハの事務所に来てもいいという話になったのである。

 

 無事修了した高橋さんは1997年6月、フィンランドのユハの事務所に入った。

 

☆ 第4打席〈センター前ヒット〉

 

 ユハの建築事務所での勉強は1年半に及んだ。しかし、フィンランドは人口約500万人の国、フィンランド語もネックとなった。仕事をするならやはり日本でと帰国。しかし日本は就職氷河期で仕事のあきがなかった。ぶらぶらしていても仕方がないので、父親の仕事の手伝いを始めた。それがアクセサリー職人・高橋正明の誕生となった。

 

「建築をやっていた人間が職人になれたのは、子供のころから親の仕事を近くで見ていたことと、もともと手先が器用だったおかげ。

 

 私のやっているのは職人から継承した『よせもの』という手法。ひとつひとつのパーツを寄せ集めてロウ付けするのですが、すごく手間がかかる作業です。今はキャストといって、ひとつ原型を作り、型にして溶けた金属を流し込んで大量に作るのが主流。『よせもの』の技術で大きなティアラを作れる職人は、都内ではもう数人しかいません」

 

 2011年の東日本大震災は、高橋さんが関係するブライダルやファッション業界にも大きな打撃を与えた。仕事がなくなる恐れがあり、何かをしなければと思っていたときに紹介されたのがビジネス交流会。それが大きな転機となった。

 

☆ 第5打席〈3ランホームラン〉

 

 ブランドを作ったらとアドバイスれ、’12年に自らのブランドを立ち上げた。’13年には下町の職人を紹介するテレビ番組への出演がきっかけで、世界最高級のクリスタルのブランド、スワロフスキー社とブランド契約を交わすことができた。

 

 また、’14年には同社が年に一度開催する世界のジュエリーを集めた展示会「World Jewelry Facets」に作品を提供、ティアラのデザインと技術が高い評価を得た。そして前述した自らのショップも開いた。

 

「ふだんは流れに身をまかせているが、これをつかむと何か変わるかなと思ったときにダッシュする。今、仕掛けようとしているのは、『よせもの』の技術を後世に残すために『よせものデザイン協会』を立ち上げること。協会が軌道に乗ったらまた建築もやりたいし、子供のころから思っていた洋服作りもやりたい…」

 

 寄り道の多い人生を歩いてきたという高橋さんだが、「よせもの」の技術を残すための協会は、記念すべき場外満塁ホームランとなるか?

(週刊FLASH 2017年3月7日号)

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