ライフ・マネー
冬だからこそ行きたい「古墳めぐり」いにしえのパワーを受けてみよう!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.20 06:00 最終更新日:2021.12.20 06:00
「古墳は全国に16万基あるといわれ、一生かけてもまわりきれない壮大なテーマです」
古墳ライターで、多くの関連本を執筆してきた郡麻江(こおりまえ)さんは頬を緩める。2019年、大阪の百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群が世界遺産に登録されてから、古墳人気が高まってきているという。
関連記事:【目指せ不思議スポット】石室に入れる貴重な遺構「八幡山古墳」
今回、古墳のある全国43都府県別に、今行くべき古墳を郡さんに厳選してもらった。
「未踏の古墳については、各地の古墳友達から情報をもらいました。友人が増えるのも古墳の魅力です」(郡さん)
冬は古墳めぐりにうってつけだという。
「おすすめは春と秋と冬。夏は虫が多く、墳丘も草に覆われて見えにくい。草が枯れて落葉する秋から冬は形がよく見え、藪も少なく、登りやすいです」(同前)
■墳丘に並ぶ埴輪との関係もおもしろい
そもそも古墳とは? 中部学院大学で古墳被葬者を研究する橋本裕子氏が解説する。
「古墳は3世紀中ごろ~7世紀にかけて、高く土を盛って造られた墓を指します。盛り上がった部分は『墳丘』と呼ばれ、古墳が多く造られた時代を古墳時代と呼びます。墳丘長(両端間の距離)が500m近い仁徳天皇陵古墳もあれば、直径数m程度の小規模なものまでさまざま。
丸い円墳、四角い方墳、それらを組み合わせた前方後円墳、前方後方墳などがあり、築造時期や地域によっても形状は異なります。
古墳にはその土地の偉い人、天皇や首長などが埋葬されていますが、被葬者が特定できている古墳はじつはごく少数。古代の人々の埋葬に対する思いや、立派なお墓を造り上げた技術力など、古墳は見どころが多いです」
古墳が造られた当時、そばには埴輪が並べられた。
「埴輪はすべての古墳にあるわけではなく、基本的には前方後円墳の消滅とともに作られなくなりました。埴輪には円筒埴輪と形象埴輪があります。円筒埴輪は土管状の形をしたもので、墳丘の周囲や頂部に横一列に並べられ、境界の役割などがあったとされています。
形象埴輪は人や動物、家などをかたどったもので、墳丘頂部や、造出(つくりだし)という墳丘裾の壇の上に置かれました。形象埴輪は当時の衣服、髪型、職業、武具、建築様式などを私たちに伝えています」(橋本氏)
まずは近所の古墳で、古代からの声に耳を傾けてはどうだろう。次ページでは、オススメの古墳を20個リストアップした。