■(4)「今まで、ありがとう」と感謝の言葉を口にする
それでも、「やはり、もったいない」「ひょっとしたら、使うかもしれないし」という感情に引っ張られることはあるでしょう。
物を捨てるのはもったいない……。そのマイナス感情をきれいさっぱりと消してくれる言葉が「ありがとう」。
「今まで、ありがとう」と感謝の言葉を口にしながら、ゴミ箱にポイすると、不思議と「もったいない」気持ちがなくなり、ポジティブな気持ちになるのです。捨てるたびに、「ありがとう」を連発すると、片付けがものすごくはかどります。
■(5)写真を撮る
仕事で使う紙の書類や資料などを、スマホなどで撮った後に処分しているという人は多いでしょう。じつは、書類や資料に限らず、洋服や靴などもスマホなどで撮っておくと捨てることに対する抵抗がかなり軽減されます。
最近は着ないけど、5年前にはよく袖を通した洋服。そんな一着は、処分しづらいものです。着ていたころの思い出とリンクしているので、思い出まで消えてしまうような気分になるのでしょう。
そういうものは、処分する前に写真に撮っておく。画像として「思い出」を格納することができますので、あとは「ありがとう」と感謝の気持ちの言葉をかけてあげれば、名残り惜しさがスーッと消えます。
■(6)「片付けって楽しい!」と声に出す
人間、「つらい」ことは、当然やりたくない。でも「楽しい」ことは率先してやりたい気持ちになるものです。
これを逆手にとって、部屋の片付けをしながら、「片付けって楽しい!」と言う。あるいは、片付けが終わった後に、「部屋がきれいになって、気持ちがいい!」と声に出してみてください。
そうすると、だんだん苦手意識が消えていき、片付けの作業が楽しくなります。
片付けを苦手と感じていたことから出ていたストレスホルモンが、ドーパミン(幸福物質)に置き換わったため、楽しく感じられるようになったのです。これも自己暗示のひとつですね。
かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動
イラスト・浜本ひろし