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「リアルモンスターハンター」が世界の果てまで喰ってQ!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2017.03.13 17:00 最終更新日:2017.03.17 15:10
写真の巨大魚は静岡県の駿河湾で撮ったバラムツ。
「水深数百メートルに生息する深海魚ですが、よく浅瀬に浮上するので、比較的捕獲しやすい魚です。味はトロ、食感はブリのようにサクサクしていて、もう絶品! 刺身が最高ですね。
ただし、熱したフライパンにのせただけで揚がってしまうほど油脂分が多く、食べすぎると消化吸収されなかった油脂が肛門からそのまま漏れ出てしまいます。食べるのは5切れまでとよくいわれていますが、僕は40切れ食べて、お尻がヌルヌルに。オムツを着用しました……」
こう語るのは、モンスターズプロショップの編集長、平坂寛さん(31)。秘境に出向き、自然と冒険をテーマに数々の野生生物を紹介するデジタルメディア「Monsters ProShop」を運営し、巨大&異色な生物を捕獲する日々を送っている。
続いての写真は、日本でも急増中の外来危険生物カミツキガメ。千葉県の印旛沼で撮った。
「どれくらいいるのかを調査しに行き、釣り糸を垂らすだけですぐに釣れました。アメリカのルイジアナ州やコスタリカではケイジャン料理の材料にすると聞いたことがあり、実食。カメなので、味はスッポンに似ています。豚のスペアリブと鶏のもも肉の中間のような感じで、すごくジューシー。肉がたくさんとれるのでいい食材です」
石垣島ではグリーンイグアナも食べたことがあるという。
「僕は外来生物の調査がライフワーク。日本で急増しているグリーンイグアナを調査しに行きました。カッコよすぎて殺すのは惜しかったのですが、南米では食用だと聞いたことがあったので食べてみました。これも鶏肉に近いですね。草花ばかりを食べているので臭みがなく、旨みがあります。竜田揚げとサムゲタン風の鍋にして食べました。沖縄で獲れる生物のなかで、いちばん美味しい食べ物だと思います」
'16年1月にモンスターズ株式会社を立ち上げた半澤聖也社長(28)が目指すのは、もちろん日本だけではない。
「僕は東南アジアや南米に行くことが多く、渡航国は計16カ国ほど。一週間のジャングル滞在で、5000枚以上撮影することもあります。野生生物の撮影は長年のライフワークなので、10万枚くらいは超えているかと思います。外注ライターは約30名。社員は僕と平坂寛の2人です。平坂とは'12年、タイの希少な巨大魚が釣れる釣り堀で出会いました。興味の対象が同じなので、すぐに意気投合したんです」
半澤社長は20歳から魚、鳥、虫を調査する環境アセスメント会社で働き、23歳からはタイで釣り雑誌を作っていた。
「26歳で帰国し、番組制作会社で働いていましたが、『ナショナルジオグラフィック』や『アニマルプラネット』のように生き物をフィーチャーしたサイトが日本にはないと思い、起業したんです」
半澤社長の相棒・平坂さんは『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系)にも出演中。アンガールズ・田中、オードリー・春日などとモンスターをハント、調理、実食! 大学院では深海魚を研究し、『外来魚のレシピ 捕って、さばいて、食ってみた』(地人書館)などの単行本も出版している。平坂さんが言う。
「僕も半澤も幼少期に夢中で生物図鑑を読んでいた生き物好き。図鑑の生き物を実際に見たくて各所に出かけています。見て、触って、聞いて、匂いを嗅いで、食べる。生き物を“五感で知りたい”んです。旅は東南アジアと国内が多く、昨年は月に7日も家にいませんでした」
ヘビやピラニアに嚙まれるのは日常茶飯事。常に生傷が絶えない2人だが、半澤社長はアマゾンのジャングルの奥地でワニに指を嚙まれたことが!
「ワニの歯が当たって、指の骨の接続部分まで見えるくらいえぐれてしまったんです。友人のとっさの判断で、傷口に化膿止めの軟膏をギューッと押し込み、瞬間接着剤で固め、緊急処置。今では傷もほぼわからないですよ(笑)」
平坂さんは国内でのハリネズミの取材後、気づけば全身ダニだらけに!
「脇や膝の裏にくっついた黒いエンドウ豆のようなダニが取れないんです。ブチブチちぎると、皮膚も一緒にはがれる。しかも頭が残って、化膿する。さすがに病院に駆け込みました……」
最近ではサソリに刺され、しびれて手の感覚がなく、物が持てなかったという平坂さん。その“最恐体験”は――。
「アマゾンからガイアナ共和国のジョージタウンに着いた瞬間、強盗に遭遇。金品を先に差し出したのに、ボッコボコに殴られて。顔が腫れ上がりましたが、殺されなくてよかった」
「最恐」は人間だった。
(週刊FLASH 2017年2月28日号)