6月26日、政府は東電管内で電力不足の懸念があるとして、初の「電力需給逼迫注意報」を発令した。
経産省は、27日午後に会見を開き、「夕方には熱中症予防のため冷房を使いつつ、できる限りの節電をお願いしたい」と呼びかけている。
この夏に予想される電力不足は深刻だ。萩生田光一経産相は、節電対策の一つとして「室内温度を28度にする」ことを提唱している。この数字は、これまでクールビズの一環として、環境省により推奨されてきた。
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しかし、ネット上では「28度はさすがに熱帯」などと批判が噴出。実際、2017年5月に開かれた会議では、盛山正仁法務副大臣(当時)が室温28度の根拠について「科学的知見をもって28度に決めたのではない。なんとなく28度という目安でスタートし、それが独り歩きしたのが正直なところ」と明かし、見直しを提案している。
当時、官房副長官だった萩生田氏も「(28度では)人によっては汗をかいて洗濯物が増える。もう少し緩やかな、根拠のあるものに変えていこう」と語っていたが、この5年間のうちに話し合いの場はもたれなかったようだ。
では、たしかな根拠に基づいて、エアコンの使い方を見直していこう。「冷房のつけっぱなしがおトク」というライフハックはよく目にするが、実際のところどうなのだろうか。ダイキン広報部に聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
「時間帯や環境、設置している機種など条件によって結果が変わってくる可能性はありますが、弊社の実験では、日中の時間帯での30分程度の外出であれば、 “つけっぱなし” の方が消費電力が少ないという結果が出ています。ただ、気温の低い夜などは、こまめに切った方が節電になる傾向です。
というのも、エアコンは運転開始直後、部屋の温度を一気に下げようとしているときに一番電力を消費します。ですから、日中であれば、こまめに電源を入れたり切ったりするよりも、つけっぱなしにしておく方が消費電力が少なくてすむんです」(広報部担当者)
また、エアコンの上手な使い方についても、こんなアドバイスが。
「やはり、フィルターのお掃除は大事です。埃が詰まっていると、どうしても運転効率が悪くなり、消費電力がかかる原因になります。手間はかかりますが、2週間に1回ほど、掃除機で吸うことをおすすめします。
また、室外機のそばには、植木鉢やゴミ袋など、ものを置かないようにしてください。吹き出し口が塞がれてしまうと、エアコンが部屋の中の熱を出そうとしても、熱風を再び吸い込んでしまうため、一気に効率が悪くなります。
あとは、外から帰ってきたとき、エアコンをつける前にぜひ換気をしてください。部屋の熱気を逃し、風通しをよくしてからエアコンを稼働させることで、無駄な電力を使わずに部屋を涼しくすることができますから」(同)
電力不足とはいえ、エアコンを我慢しすぎれば熱中症などの危険性もある。できる範囲で節電に挑戦しつつ、賢く生き抜いていきたい。
( SmartFLASH )