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【プロレス秘史】佐山サトルの専属マスク職人が明かすタイガーマスクの素顔「ゴルフの最長飛距離は386ヤード」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.03 06:00 最終更新日:2022.07.03 06:00

【プロレス秘史】佐山サトルの専属マスク職人が明かすタイガーマスクの素顔「ゴルフの最長飛距離は386ヤード」

ミル・マスカラス(左)、初代タイガーマスクと中村之洋氏の3ショット

 

「きっかけは、兄が初代タイガーマスクの佐山サトル先生が創設した近代総合格闘技『修斗(シューティング)』の一番弟子だったことです。佐山先生の弟子である四代目タイガーマスクのデビューの際、兄が佐山先生に “弟がマスクを作れます” と伝えたことが始まりです」

 

 そう語るのは現在、初代タイガーマスクや四代目タイガーマスク(新日本プロレス)の専属マスク職人として活躍するタイガーアーツの中村之洋(ゆきひろ)氏(55)である。

 

 

 プロレスに興味を持ったのは中学2年のとき。ミル・マスカラスの筋肉美がきっかけだったという。

 

「すぐに体だけではなく “マスクもカッコいい” と興味を持ちました。そしてその翌年(1981年4月)に、初代タイガーマスクがデビュー。ただ、テレビで観たはずなんですが、じつはあまり覚えていません(苦笑)」

 

 その後の活躍と常人離れした動きに魅了され、とくに引退間際の1983年夏に被っていたマスクに惚れ込んだという。当時、初代のためにマスクを作っていた職人の工房を突き止めて連絡を取り、念願のマスクを入手したが、それは一代前のデザインだった。しかし、ここでプロレスのマスクの詳しい構造を知ることができたという。

 

「僕だったらこの箇所をこう作るのにとか、いろいろ考えるようになって。構造もわかったことですし、それであれば自分で作ってしまおうと思いました」

 

 こうして手縫いでマスク制作を始めたのは18歳のときだった。あくまでコレクションとして楽しんでいたが、プロレスショップに自分の作品を見せたところ評価されて「お手伝い的に」プロレス界と関わるようになっていたという。プロ選手が初めて中村氏が作ったマスクを被って試合をしたのは1994年1月。当時、新日本プロレスで活動していた三代目タイガーマスクだった。

 

 その後、冒頭の経緯を経て、まずは1995年に四代目タイガーマスクのマスクを作るようになった。2001年からは専属職人になった中村氏。現在では、中村氏が作るマスクはイニシャルから「YN製」と呼ばれ、マスク業界では最高峰のブランドとなっている。

 

「2003年に佐山先生が、『動けるうちにプロレス界に恩返ししたいから』と完全復帰されました。そこから先生のマスクも作らせていただいています」

 

 初代タイガーマスクが「YN製」のマスクを初めて着けた試合では、セコンドとして帯同。リング上で、中村氏が佐山氏にマスクを被せて紐を締めた。以来、専属マスク職人としてだけではなく、付け人のように初代タイガーマスクに寄り添う生活が始まった。中村氏しか知らない “素顔のタイガーマスク” の一端を明かしてくれた。

 

「一時期は近所に住んでいて、1年中お呼びがかかれば、いつもご一緒させていただきました。佐山先生は体重の変動が大きいのですが、そうなるとマスクも微調整が必要になってくるので、常に傍らでボディチェックをしていました」

 

 初代タイガーマスクといえば、ファンの間で “羊羹を一本丸ごと食べる” とか “就寝前にカステラを一本食べる” などといった逸話が語られるほど、大の甘党で知られているが、その真相は?

 

「それは10年以上の前の話です。先生が甘党だと知った関係者の方々が差入れをされて、先生も律儀なものですから、全部食べていたのでしょう(笑)。今は健康的な食生活をされています。先生は食事の様子をはじめ、すべてにおいて動きというか、身のこなしが優雅ですね。

 

 一時期、一緒にゴルフの練習場やコースもまわらせていただきましたが、スイングも優雅で、せかせかしているところを見たことがありません。腕前も上級で、全盛期ではほぼ毎回70台~80台でまわっていたそうです。飛距離もとんでもなくて、コンペではしょっちゅうドラコン賞を獲得していました。最長飛距離は386ヤードだとおっしゃってました。今は同行する機会は少なくなりましたが、それでも付け人のポジションは誰にも譲りません!」

 

 また、佐山氏は和の伝統を重んじているとのことで、常に職人への敬意を持っているそうだ。中村氏の仕事に対しても感謝を忘れずに、労いの言葉をかけてくれるという。

 

「いちばん嬉しいのは顔にジャストフィットしているという意味で、 “ユキちゃんのマスクは被っている気がしない” と褒めていただけたことです」

 

( 週刊FLASH 2022年7月12日号 )

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