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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』「マスクをはずしたくない人」が急増するワケ

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.04 06:00 最終更新日:2022.07.04 06:00

樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』「マスクをはずしたくない人」が急増するワケ

笑顔のトレーニング

 

■対処法2 笑顔トレーニングをする

 

マスクをはずして人と話すのが怖い」人の場合、「表情がうまく作れないから」という理由もけっこうあるようです。

 

 実際長い間、人とのコミュニケーションはマスク越しだったわけですし、テレワークなどでリアルに人と会う機会自体も減ってきました。そういう状況では、自分の表情を意識する場面も少なくなるため、笑顔になろうとしても、ぎこちなくなってしまうのでしょう。

 

 これには顔の筋力が低下していることも考えられます。

 

 久しぶりにマスクをとったら、顔のシワが増えていた、口角が下がって年をとって見えた……。この現象を「マスク老け」と呼んでいるようです。マスクによって表情を作る必要がなくなった結果、表情筋が弱ったり、退化したりしてしまうのです。

 

 1週間寝たきりになると筋力が15%低下する、といわれます。マスクの場合、2年以上もつけているわけですから、表情筋の退化が相当進行していてもおかしくありません。

 

 ただ、衰えた表情筋を鍛え直す方法はあります。私がおすすめするのが、「笑顔トレーニング」です。

 

 やり方は簡単で、1日5回以上、鏡を見ながら「満面の笑み」を作ること。朝、顔を洗うときに笑顔、歯を磨きながら笑顔、ひげを剃りながら笑顔。あるいは、お化粧しながら笑顔、お手洗いで鏡を見るたびに笑顔、スマホで自撮りするときに笑顔……。このように、鏡を見たときに必ず笑顔を作るようにすれば、1日5回以上、トレーニングができます。

 

 このとき、顔の筋肉(特に口の周りや頬)のマッサージをすると、より効果は高まります。

 

 鏡越しに笑顔が作れるようになれば、リアルで誰かと話しているときでも、自然に笑顔になれるはずです。「2年の間にすっかり老けてしまった」と思われないためにも、笑顔トレーニングを習慣にしてください。

 

■対処法3 「コミュニケーション力が低下したのは、自分だけではない」と考える

 

 先日、2年ぶりに100人の前でリアルの講演をしました。

 

 コロナ禍前は500人、あるいは1000人の前でも緊張しなかったのですが、続けて言葉を噛んでしまいました。今まで講演を数百回やってきて、このようなことは記憶にありません。自分でも驚いてしまいました。

 

 コロナ禍を経て、「コミュニケーション力や話す力が低下した」と感じる人は多いのではないでしょうか。しかし、それは多くの人について言えることだと思います。けっして、自分だけが低下しているわけではないのです。人とのコミュニケーションや話す機会が長い間、少なくなっていたのですから、仕方のないことです。

 

 コミュニケーション力の低下も話す力の低下も一時的な現象にすぎません。リアルのコミュニケーションを増やしていけば、自然に元の状態に戻っていくでしょう。

 

かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

 

イラスト・浜本ひろし

 

( 週刊FLASH 2022年7月12日号 )

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