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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』職場の人間関係を深めない方がよいワケ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.18 06:00 最終更新日:2022.07.18 06:00
あなたの職場の人間関係は良好ですか? もし「良好」と答えた方は、非常にラッキーです。
しかし「悪い」と答えた方も、ガッカリする必要はありません。職場の人間関係が悪いのは、ごく普通のことだからです。
悩みの9割は人間関係。そして、人間関係のストレスの大部分が、職場にあるといわれます。
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つまり、職場の人間関係がよく、コミュニケーションが円滑になれば、私たちのストレスの大部分は解消されるということ。
私のYouTubeチャンネル「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」のもとには、毎日30問以上の質問が寄せられますが、職場における人間関係の悩みは、定番中の定番です。
そこで今回は、ストレス解消の本丸ともいえる、この問題について解説したいと思います。
■職場の人間関係が悪いのは普通
私のTwitterのフォロワーさんに、職場の人間関係についてアンケートをとったところ、「よい」が57.3%、「悪い」が42.7%という結果になりました(有効回答数653人)。
「自分の部署の人間関係は悪い。それは特殊なことかも」と思う人がいるかもしれませんが、アンケートでは半数近くの人が「悪い」と答えているわけですから、不思議なことではありません。あなたの部署でいつも笑顔でいる人でも、心のなかでは人間関係に不満を持っているかもしれないのです。
好意の1対2対7の法則
私のYouTubeチャンネルに寄せられる職場の人間関係についての悩みのなかで、最も多いのは「特定の人物が自分を攻撃してくる」「自分の悪口を言う」「自分にマウントしてくる」というものです。
これに対して私がお伝えする対処法は「笑顔でスルー」です。
特定の人物から攻撃されるという人に知っておいてほしいのは、ユダヤ教の教えとして古くから伝わる、好意の1対2対7の法則です。
10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きにはなれない。そして10人のうちの2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ。(『嫌われる勇気』岸見一郎、古賀史健著 ダイヤモンド社より引用)
この法則にしたがうと、職場に、あなた以外に10人いるとしたら、あなたを嫌う人、あなたとソリの合わない人が必ず1人はいるということ。これは、どこの会社、どこの部署でもいえることです。
しかし、その一方で、あなたの味方になってくれる人も2人はいます。あなたを嫌う人の、2倍もの数の人が、実はあなたを支えてくれているし、応援もしてくれているのです。
ちなみに残りの7人は、あなたのことが好きでも嫌いでもない、いわば中立的な立場の人です。
私は、今まで20カ所以上の職場で働いてきましたが、その経験からいって、好意の1対2対7の法則は、実に正しいと思います。
何かにつけ自分を攻撃してくる人がいるとしても、それは全体の1割にすぎません。「この人は10人に1人の “攻撃星人” だな」と思って、スルーするか、ドライに対応すればいいだけです。こちらが気をつかって仲よくする必要など微塵もないのです。
■みんなと仲よくすることは不可能
小学生のころ、同級生と喧嘩したとき、先生に「仲よくしなさい」と諭された人は多いでしょう。しかし、これは心理学の観点からすると完全に間違った教育といえます。
自分とソリの合わない人は絶対にいます。そういう人と仲よくするには、膨大な精神エネルギーを投入することになり、ストレスも膨大なものになるからです。
そこまでして仲よくする必要があるのでしょうか?
1%もありません。
大切なのは、世の中には自分とソリの合わない人、自分を嫌う人がいるのを認めることです。それも「多様性」の一つの側面といえるでしょう。
テレビドラマ『半沢直樹』のように、業務に支障を来すほどの仲違いは困りものですが、ソリの合わない人とは必要最低限のビジネスライクなやりとりに徹するようにすれば、ストレスはかなり解消すると思います。