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未婚・子なし・実家には85歳の父…松村邦洋が直面する“終活準備ゼロ”でもFPが「意外と高評価」の理由
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.25 06:00 最終更新日:2022.08.25 06:00
50歳男性の未婚率は約3割に達し、3組に1組が離婚する現在。
コロナで自宅療養に苦しみ、田舎では高齢の父親が田畑を守り、独身を貫く“おひとりさま”代表の松村邦洋。そんな松村に、FP・花輪陽子氏が「おひとりさま終活」チェックリストを作成。頭を抱える松村に、花輪氏が救いの手を差し伸べた!
「コロナではご心配かけました。2020年末から年明けにかけて、自宅で一人療養してたんですが、ずっと咳と痰が止まらず、診察を受けると肺炎になっておりました。 医師からは『入院が少しでも遅れたら危なかった』と言われましてね。さすがに老後のことを考えるようになりました。
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編集部から事前にチェックリストをもらいましたけど、『自分は終活について、これまで何も考えずに55歳になっちゃったな』と思いました。このインタビューがなかったら、気づかなかったこともいっぱいありましたね」(以下、カッコ内は松村)
(1)病気の予防をしているか?
「40歳くらいまでは、そんなこと考えたこともなかったです。まぁ、2009年の東京マラソンで倒れてますんで、その後は気をつけてはいますかねぇ。今は、年1回は健康診断を受けています。
でも一人でいると、ほかに楽しみもないし、ついうまいもん食いたいなって(笑)。コロナのおかげで自炊が増えましたけどね」
(2)親の財産を把握しているか?
「実家は山口の田舎です。母親は2008年に69歳で亡くなりましたが、兼業農家だった父は、85歳になった今でも田畑に出ています。野村克也さんが「グラウンドで死にたい」っておっしゃってたけど、「田んぼで死にたい」って感じでして(笑)。
財産といっても、この実家と畑くらいでしょう。価値は……ないよねぇ。僕は3人兄弟の長男ですけど、弟たちと実家について話をするような雰囲気ではないし、なんだか空き家になりそうで、実家をどうするかを考えると眠れないし、頭が痛いですね。
松本明子んちだって、空き家になった実家の日本家屋を処分するのにすごく時間がかかったといいますよね。やっぱり、片手間ではふるさとを処分できないですよね」
(3)今の仕事を続けていけるか?
「この世界に入ったときから、一年一年の契約社員みたいなもんで、長くやれるとは思ってなかったです。まぁ僕自身、どうなるかわかんないですね。タレントは60ぐらいでやめるかもしれないし、実家に帰って農業を継ぐかもしれませんし……。
でも、農業って、即席でやれるような甘いもんじゃないですから。なんの仕事でもそうでしょうけどね」
(4)副収入はあるか?
「僕は『副業でカネを儲けるな』と、若いころからずっと思ってたんですよね。飲食店で儲けようとかっていう考えが僕はダメで、 “運” は全部仕事で使いたいんですよね。
それでいうと、『歴史』と『野球』が副業だと思ってましたけど、今はそっちの “枝” が本業になっちゃって、 “幹” が弱いんですよ(笑)。
YouTubeはお話をいただいて、コロナ禍の2020年8月から始めました。好きなことを30分でも1時間でもしゃべっていられるので、自分に向いてますね。聞かされる人は地獄かもしれないけど(笑)。まだまだ副業とまでは言えませんけどね」
(5)自分の資産を把握しているか?
(6)収入減に備えた貯蓄はあるか?
「把握も何も、資産はないんですよね。貯蓄は少しはありますが、車も持っていません。野球と歴史関係のコレクションも、資料として必要なものだけ残して、だいぶ手放してしまいました。
今も、グリーンウェル(1997年に7試合だけ出場した阪神の助っ人選手)のサインボールとか、お気持ちでいただいたもの、掛布(雅之)さんのトレーナーとかは残してありますけどね。でも、北条実時の金沢文庫みたいに、中野に松村文庫を造ってもしょうがないですから(笑)」
(7)電子マネーを活用しているか?
「電車に乗るときにSuicaは使いますけど、買い物はほぼ現金ですね。買い物のとき、釣り銭を数えるのが面倒で、全部お札で支払って、小銭は自宅の缶にまとめて放り込んでいたんです。かなり貯まったので銀行の両替機に入れたら、缶の中にあったゴミで機械を詰まらせてしまって、「二度とやらないでくれ」と言われましたね」
■<FP(花輪陽子)がチェックリストを解説、松村の終活の評価は!?>
「これまで老後について何も考えてこなかった」という松村さん。でも、人づき合いを大切にされていますし、今から少しでも準備をしていれば、末永く明るい人生を送れると思います!
(1)(松村のコメントに出てくる番号に対応)病気になる前に防ぐのが、結局はいちばん安上がりですよね。会社や自治体が設けている無償の健康診断の機会を逃さないようにしてください。「歯は万病のもと」なので歯科検診も大事です。松村さんは、健康診断をしっかり受けていらっしゃいますね。
(2)地方や郊外の不動産が「負動産」となる例が多発しています。土地を売却できず、固定資産税が課せられつづけるのです。相続放棄は、基本的に3カ月以内にする必要があります。ご兄弟と少し疎遠だという松村さんですが、できればお父様が元気なうちに、実家の経済的価値を調べておくべきですね。
(3)現在は70歳までの継続雇用が企業の努力義務とされており、社員本人さえ希望すれば、今いる会社で70歳までは働けます。しかし、その選択をすべきかどうかは、50代のうちに判断しなければならないのです。
(4)今では大企業を中心に、副業が解禁されています。ただ、いきなり異分野の仕事を手がけるのはハードルが高いですし、営業マンなら商談代行など、まずはこれまで培ってきたスキルを生かせる仕事を考えてみてはいかがでしょう?
松村さんは、YouTubeで好きなテーマを存分に話すことが支持されており、既存媒体とは別に仕事のチャンネルを増やすのはとてもいいことだと思います。
(5)資産といっても、不動産や株式のほかにも、商品券やプリペイド・デポジットカードなども含まれます。細かく確認するのは大変ですが、一度記録しておけば、万が一の事態に陥っても、兄弟や親戚などにすぐ引き渡せます。グリーンウェル選手のサインボールが資産かは……ノーコメントです(笑)。
(6)基本的には、3カ月分の生活費は最低限プールしておきたいですね。急な失職や引っ越しの必要が生じても、それだけあれば、無借金で乗り越えられるはずです。
(7)電子マネーや各ポイントカードそれぞれに、いくら貯まっているのか把握している人は少ないと思います。有効期限を過ぎてしまわないよう、把握できる範囲で利用するべきです。
現金主義だという松村さんですが、お中元などを買うときによく利用する百貨店ではポイント付きクレジットカードを使っておられるとのこと。それなら有効期限を見逃すこともないでしょうし、とてもいい利用法だと思います。
まつむらくにひろ
1967年生まれ 山口県出身 片岡鶴太郎に認められ芸能界入りし、ビートたけし、高田文夫などのものまねで一世を風靡。野球・歴史に詳しく、バラエティやラジオで活躍中
はなわようこ
三重県出身 青山学院大学卒業後、外資系投資銀行を経てファイナンシャルプランナーとして独立。現在は拠点をシンガポールに移し、ジム・ロジャーズ著『世界大異変』(東洋経済新報社)など翻訳家としても活躍
写真・松沢雅彦
取材/文・鈴木隆祐