50代男の「お金と余生計画」FP・花輪陽子氏が採点
◎竹田恭治(仮名・61歳)の場合
カメラマン(元出版社社員)
年収:約250万円 結婚歴:なし
貯金:約800万円
家族:90代の母と同居。姉1人
50代は2年前に卒業したけど、 “先輩” の体験談を聞かせろってわけね。エロ本の編集部が長かったでしょ。仕事でずっと撮影現場にいたので、今はカメラマンを名乗って細々と。稼ぎは月に10万円ぐらいかな。
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それも、バイトから勤めていた会社に55歳で早期退職を迫られたのがきっかけ。中堅の会社で退職金の提示額は980万円だった。
十数年前に、国家公務員だった親父が亡くなり、お袋がふっつりやる気をなくして、千葉の実家が急にゴミ屋敷化したわけ。足の踏み場もなくて、たまに様子を見に来ていた姉貴も近寄らなくなったぐらい。
今は退職金の半分と、お袋のタンス預金を合わせた1200万円で、1階は1DKで2階は8畳に6畳の2間、そんな小さな家を千葉に建てて、お袋と2人で暮らしてるよ。
俺も3年前に脳梗塞で倒れて将来が心細いけど、親父の恩給や遺族厚生年金なんかで、お袋には毎月20万円の年金があるから、将来はそれをあてにはしてるよ(笑)。
<花輪の目>ーー(75点)
退職後はご自身の定期預金を解約し、4年後に厚生年金が支給されるまで、カメラマン業でやりくりされるとのこと。お母さんが医療費などを自己負担し、竹田さんが生活費に年金から5万円を受け取っているそうですが、家計の切り分けがうまくいっていると思います。将来は、似た境遇の友人とシェアハウスし、生活を縮小するそうです。
はなわようこ
三重県出身 青山学院大学卒業後、外資系投資銀行を経てファイナンシャルプランナーとして独立。現在は拠点をシンガポールに移し、ジム・ロジャーズ著『世界大異変』(東洋経済新報社)など翻訳家としても活躍
取材/文・鈴木隆祐