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江戸時代のおおらかすぎる性生活…「いみじきものなれ」とオナニーも賛美

ライフ・マネー 投稿日:2022.10.07 16:00FLASH編集部

江戸時代のおおらかすぎる性生活…「いみじきものなれ」とオナニーも賛美

 

 セックスオナニーについて語ることは、現代社会ではなんとなくタブー視されていますが、じつは、もともと日本人は、性に対してもっと開放的で、肯定的な民族でした。

 

 たとえば、オナニーについて触れている最も古い文献は、13世紀の『宇治拾遺物語』といわれています。巻一に「源大納言雅俊 一生不犯の鐘打たせたる事」というお話がありますが、そこに、生涯セックスを禁じられている僧侶が、「かはつるみはいかが候ふべき(オナニーはしてもよいのでしょうか)」と質問した、というくだりがあります。禁欲が必要な僧侶であっても、時にはオナニーで発散していたことが伝わる一節です。

 

 

 また、江戸時代には、町民や農民など庶民層においては、性に対する認識はさらに大らかに、肯定的になっていきました。それは、世界的にも有名な春画をみても、明らかです。男女の結合部が、じつにリアルな描写で、より大きく、強調される構図で生き生きと描かれ、自由で明るい性を楽しんでいる様子が伝わってきます。

 

 実際に、セックスは、祭りの際には乱交やスワッピングという形で、享楽的なイベントとしても楽しまれていました。大人に限らず、二次性徴を迎えた農村の男子は、同じ村に住む年上の女性に「筆おろし」という形で、初めてのセックスを教えてもらっていました。

 

 筆おろしを通じて、男子たちはセックスのやり方をはじめ、やっていいこと、やってはいけないことなどのマナーを厳しく教え込まれていました。つまり、超リアルな性教育をしてもらっていたわけです。

 

 一方、厳格な倫理を重んじる武家では、性に関しては強く制御されており、オナニーさえ禁じられていたといいます。それが、当時の儒学者・貝原益軒の健康に関する書物『養生訓』での「接して漏らさず(セックスはしても射精をしてはいけない)」にも表れています。

 

 性にリベラルな江戸時代の庶民層は、当然ながらオナニーに対しても非常に肯定的で、会津藩の国学者・沢田名垂が記した『阿奈遠可志(あなをかし)』には、オナニーに対する賛辞が次のように記されています。

 

《かはつるみといかいうおの子の手わざこそ、たぐいなきいみじきものなれ。名をたてず身をそこなはず、世のわらひとなりしためしもきかねば、これも又もとは聖ほとけのみをしへにもやあるらん》

 

(オナニーはすばらしいものである。なぜなら健康を損なうことも、世間に迷惑をかけることもない仏の教えだから)

 

 このように、一昔前の日本の庶民層においては、オナニーに対する宗教的なタブーも罪悪感の意識もなく、男性が当たり前に行うものとして認識されていたわけです。

 

■西洋的な価値観(オナンの罪)から始まった「禁オナニー」

 

 では、現代のオナニーに対するタブー視は、いったいどこからやってきたのかというと、明治時代の近代化に伴って日本に流入してきたキリスト教文化をベースとした、西洋の価値観からです。

 

 西洋社会においては、18世紀以前から、生殖を目的としない射精、つまりオナニーや腟外射精は、神に対する背徳行為とされていました。セックスはあくまで子をなすための行為であり、避妊をするセックスは快楽のみを得る行為で、とんでもない大罪であるとされていたのです。

 

 旧約聖書「創世記」38章では、オナニーの語源である「オナンの罪」についての記述があります。

 

 ユダには、長男のエル、次男のオナン、三男のシェラという3人の息子がいました。ある時、長男のエルが死んでしまいます。子孫を残すために、次男オナンは、父親であるユダから、残された兄の妻タマルを娶(めと)り、子をなすことを命じられます。

 

 しかし、オナンはそれに背き、タマルと関係を持つたびに腟外射精で精液を地に漏らし続けたことから、「オナニー(正確には腟外射精)という大罪を犯した」として、神に罰せられたという内容です。

 

 さらに、18世紀に入ると、今度は宗教的な罪悪にとどまらず、オナニーを行うことは、身体や精神に有害であると指摘する書物が出版されるようになりました。

 

 その一つである『オナニア』(1710年出版、著者不明)は、世界で最初のオナニー論を展開している一冊ですが、そこには「自慰のもたらすおそるべき結果」として、「成長の停止、包茎、嵌頓(かんとん)包茎、有痛排尿、持続勃起症、ひきつけ、癇癪、インポテンス(ED)、ヒステリー性麻痺、衰弱、不妊症」と、さまざまな症状を挙げています。しかし当然ながら、現代医学に照らし合わせてみても、オナニーはこれらの疾患の誘因にはなりません。

 

 また、『オナニスム』(1758年出版、サミュエル・オーギュスト・ティソ著)という書物でも、オナニーはさまざまな疾患の原因になる悪習として結論づけられています。

 

 著者のティソはスイスの医師でしたが、こちらも先の書籍と同じく、科学的根拠はまったくありませんでした。しかし、そのセンセーショナルな内容が興味を引き、世界的なベストセラーになりました。そして、ティソが主張する通り、多くの医師が「オナニーは重い身体病の原因になる」と信じるようになっていったのです。

 

 19世紀に入ると、さらにオナニーは社会問題として扱われるようになり、医師たちは禁止することに努めました。英仏米の医師の間では、「身体病と同様に、精神病の原因になる」とされて、特に精神疾患との関連について強く警告がされていました。

 

 当時の医師たちは「masturbatory insanity(オナニーによる狂気)」という概念を用いて、脳や神経組織に悪影響を与えるという考えを広めていきました。

 

 こうして強固となった「オナニー有害論」は、20世紀半ばまで医学的常識として広く信じられるようになり、そのまま明治期の日本の性教育にも影響を与えることになったのです。

 

 

 以上、今井伸氏の新刊『射精道』(光文社新書)をもとに再構成しました。性機能と生殖医療の専門医が、それぞれの年代での性生活・射精生活の心構え、現れやすい問題と対策を解説します。

 

●『射精道』詳細はこちら


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