ライフ・マネー
91歳の耳鼻科医、もう一つの顔は“世界最高齢テノール歌手”!声と健康を保つには「目標を持って楽しく過ごすこと」【長生き医師の養生訓】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.05 06:00 最終更新日:2023.02.05 06:00
人生の達人たちの健康の源は「驚異の好奇心」!90歳を超えても元気すぎる医師たちに、意外すぎる“養生訓”を聞いた。
広島大学の元学長で、現在も耳鼻咽喉科医として診療をおこなう原田康夫医師には、もうひとつの顔がある。
じつは、プロのテノール歌手として、数多くの舞台に立ってきたのだ。
【関連記事:中居正広、MC番組に3週ぶり復帰も「声が枯れてる」「少し痩せた」「無理しないで」心配の声】
「昨年は、世界最高齢のテノール歌手として、チャリティコンサートを開くことができました。1954年にNHK広島放送局主催のオペラ『蝶々夫人』で初舞台を踏んでから69年、非常に感慨深いものがありました」
オペラに耽溺し、ゴルフは喜寿でシングルプレーヤーと“ごきげんな人”を自称する原田医師。2021年のライブコンサートでは、その声のハリと艶に、観客は感嘆の声を上げた。
「40年以上、毎晩、就寝時は唇にばんそうこうを貼り、睡眠時に口が開いて乾燥するのを防いでいます」
歌のために耳鼻咽喉科医になり、オペラ研鑽のためにイタリアの医学部に留学した原田医師。声と健康を保つために、50歳のときに立てた計画を守っているという。
「朝6時前に起床し、語学を勉強し、ネットで情報収集、軽い運動をおこない、それからシャワーを浴び、食事をします。趣味のバイオリンを弾くことも日課のひとつ。これで、脳の老化を防ぐことができていると思います」
健康で長生きの秘訣は、目標を持ち、それに向かって楽しく過ごすことだと話す。
「食事は楽しく、適量の肉はエネルギーのもとになるので積極的に食べています。お酒も缶ビール1本は、食事を美味しくしますね」
そして、原田医師独自の健康食を教えてくれた。
「食前に、キャベツのぶつ切り、トマト、玉ねぎ、ピーマンにブドウのバルサミコ酢をかけたものを食べ続けています。生活習慣病の予防にもなります」
そして、日々の生活で心がけているのが“わろてんか(笑ってください)”だ。
「私は一日に幾度か、声を出して笑うようにしています。また、まわりの人を笑わせるように努めています。笑いは、免疫機能や脳機能を活性化させる、誰にでもすぐにできる健康法です」
多くの人を笑顔にしたいという気持ちが、世界最高齢のテノール歌手の原動力となっているのだ。
原田康夫医師
1931年生まれ 広島大学医学部卒業。1993年、広島大学学長。内耳の研究で世界的な医学賞「バラニー・ゴールドメダル」受賞ほか、表彰多数
取材&文・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)