ライフ・マネーライフ・マネー

老舗パチンコメーカー・西陣が廃業を発表「スマパチ」導入でも電気代高騰がのしかかるホールの悲哀

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.02 18:16 最終更新日:2023.03.02 18:33

老舗パチンコメーカー・西陣が廃業を発表「スマパチ」導入でも電気代高騰がのしかかるホールの悲哀

(写真・時事通信)

 

 パチンコ「CR花満開」などの人気機種で知られる老舗メーカー・西陣が、3月1日、廃業を発表した。

 

 パチンコ離れの深刻さが伝わってくるニュースだが、業界関係者からは「4月以降は、ホールがヤバい。2022年以上に閉店が相次ぐかもしれない」という声が聞こえてくる。

 

 その最大の理由は、多くの大手電力会社が電気料金値上げを予定しているからだ。この値上げは企業向けも例外ではない。

 

 

「これまでも、新電力会社と契約するなどしてコストを抑えてきましたが、肝心の電力会社が倒産したり、値上げしたりしたので、経営は大変です。昨今は、パチンコ台にも節電モードなどがあり、それなりに省電力化されていますが、それでも、たとえば300台設置されているホールでは、年間1000万~1500万円の電気代がかかります。電気代が2割、値上げとなれば、最低でもプラス200万円。しかも『今日はお客さんが少ないから、半分の台は電源を切ります』という“間引き”ができません。広いホールで、ただパチンコ台が虚しく光り輝き、電気を消耗していることになります」(パチンコライター)

 

 昼は外看板の照明を消し、ホール内の電球も少なくする、空調の温度は低めに設定して、暖房便座のスイッチも切るなど、各パチンコ店は努力をしてきている。平日は営業を休止するホールもあったほどだ。しかし、それでも限界なのだという。

 

「そのツケが、出球に影響しているんじゃないかというファンの疑心暗鬼が、客足にも影響しているかもしれません」(前出・パチンコライター)

 

 それでも4月には、満を持して、玉に触れることがないスマートパチンコ(スマパチ)が登場する。機械トラブルがかなり少なくなるので、人件費の削減になり、「出球率がよくなる」(業界関係者)ともいわれており、客足は戻ると期待されている。

 

 だが、導入には多額の費用がかかる。中小のホールは、客入りの効果が見極められるまで導入しないのでは、とささやかれてもいる。電気代にしてもスマパチ導入にしても、小規模のホールにはつらい桜の季節になりそうだ。

( SmartFLASH )

もっと見る

今、あなたにおすすめの記事

ライフ・マネー一覧をもっと見る