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コカ・コーラがジャックダニエルとのカクテル発売 ファンが思い出す 「ジャックコーク」を愛した伝説のロックミュージシャン

ライフ・マネー 投稿日:2023.03.11 15:08FLASH編集部

コカ・コーラがジャックダニエルとのカクテル発売 ファンが思い出す 「ジャックコーク」を愛した伝説のロックミュージシャン

レミー・キルミスター(写真・Shutterstock/アフロ)

 

 コカ・コーラシステムは、「コカ・コーラ」と、テネシーウイスキーブランド「ジャックダニエル」をミックスした、コカ・コーラを用いた初のアルコール飲料「ジャックダニエル&コカ・コーラ」(アルコール度数7%)を4月10日から全国発売すると発表した。

 

 ジャックダニエルもコカ・コーラも、100年以上の歴史を持つ世界的なブランドであり、両方を一度に楽しむ「ジャックコーク」は1907年から楽しまれているという。そして世界中の「ジャックダニエル」の約40%は、コーラ系飲料と一緒に飲まれているそうだ。

 

 

 ジャックコークと聞いて、ロックファン、メタルファンの誰もが、即座に思い浮かべるある人物がいる。世界的なハードロックバンド『モーターヘッド』のヴォーカル&ベースにして、ジャックコークを誰よりもこよなく愛したことで知られた故レミー・キルミスター(享年70)だ。音楽ライターの尾谷幸憲氏が語る。

 

ロックンローラーとお酒はセットみたいなところがありますが、ヘビーメタルファン、ロックファンの中では『酒といえばレミー』という印象が強いと思います。ジャックコークが大のお気に入りでしたが、彼の場合はジャックダニエルをコーラで割るのではなく、コーラをジャックで割って(コーラ3:ジャック7)飲んでいました。

 

 シラフでいることがほとんどなかった、ともいわれていて、マイクを顔より高い位置にセットし、やや上を向いて歌う独特の歌唱スタイルについて、本人が冗談で言った『そうしないと吐いてしまうから』という話は、ファンの間で定説になってしまったほど。1時間のインタビュー中に、ジャックのボトルが1本空いた、という逸話もあります」

 

 2000年ごろに糖尿病と診断されたことを公表していたレミーだが、それまではずっとジャックコークを愛飲していたという。その後は、「コーラのウイスキー割り」から「オレンジジュースのウォッカ割り」に変えたそうだ。

 

 バンドとしての「モーターヘッド」は、パンクとハードロックを融合させた、大音量でハイスピードなロックンロールで海外では人気を得ていたが、日本ではメタルファン以外にはなかなか届かず、2000年代前半ころまでは過小評価されていた。しかし、2002年に『レミー・キルミスター自伝 ホワイト・ライン・フィーヴァー』が発売されたあたりから、日本でのレミー再評価が高まり、大規模フェスにも呼ばれるようになっていく。

 

「自伝の日本語版につけられたキャッチコピーが『負け犬として生まれ、勝つために生きる』。これはまさしくレミーの生き様を表した秀逸なキャッチで、2010年に公開された自伝的映画『極悪レミー』のキャッチにも使われています。レミーはとにかく、男が憧れるやさぐれ感を最後まで体現した人でした」(尾谷氏)

 

 2015年7月には、新潟で開催された「FUJI ROCK FESTIVAL ’15」出演のために9度めの来日を果たしたレミーだが、その年の12月28日にガンで亡くなってしまった。その死を受けて、海外ではジャックダニエルとコーラのカクテルの名前を「レミー」にしよう、という嘆願キャンペーンが実施され、4万5000人近くの署名が集まった。それに対しジャックダニエルは、モーターヘッドの名前の入ったウイスキーを限定販売することで、これに応じたという素敵な話もある。

 

 モーターヘッドのラベルを冠した酒は数多く発売されており、2019年の時点で缶ビール1種類、ワインが4種類、ウイスキーが2種類、スピリッツが2種類出ていることからも、レミーと酒の深い結びつきがうかがえる。

 

「世界各国で、レミーの命日には毎年、彼を愛するロックファンたちがロックバーでモーターヘッドラベルの酒を飲んでいます。今回、発売される『ジャックダニエル&コカ・コーラ』も、レミーが生きていたら絶対に飲んでいたでしょうね」(尾谷氏)

 

 4月10日の発売日には、レミーを愛するロックファンたちが『ジャックダニエル&コカ・コーラ』を買う光景があちこちで見られそうだ。

( SmartFLASH )

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