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チキンマックナゲット710円→490円…マクドナルド・なか卯の「値下げして儲ける戦略」のカラクリ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.20 18:10 最終更新日:2023.04.20 18:10
外食チェーン、ファストフードの値上げラッシュが止まらない。
東京商工リサーチが3月30日に公表した調査では、国内の主要食品メーカー200社のうち、141社が価格改定をおこなうとした。主な値上げ理由は原材料、物流費、エネルギー価格の上昇だ。
4月は5075品目の値上げが予定されており、これは2月の5470品目に次いで、過去2番めに多かったという。
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食品メーカーの値上げと軌を一にするように、外食チェーンやファストフードでも値上げが続いている。
3月以降でいえば、
・丸亀製麺:創業以来、価格を据え置いてきた「釜揚げうどん(並)」を290円から340円に
・デニーズ:ハンバーグ類を10~60円、その他の肉類は50~150円、パスタ類は10~50円値上げ
・ロイヤルホスト:ステーキ16品を8~19%、朝食メニュー2品を6~13%値上げ
・日高屋:多くの商品を10円から50円の値上げ
といった具合だ。まさに「次から次に」といった印象だが、そのなかで逆行値下げの動きも話題になっている。たとえば「なか卯」では、定番商品の「親子丼並盛」を490円から450円に値下げしたことで、大きな話題を呼んだ。
そして今回、マクドナルドが、4月26日から5月16日まで、通常価格710円の「チキンマックナゲット15ピース」を490円で販売すると発表した。
値下げは消費者にとって喜ばしいことだが、これで利益をあげられるのだろうか。実際、「チキンマックナゲット15ピース」は1月に120円の値上げをしていたのだが……。
経営評論家の坂口孝則氏に解説してもらった。
「他社の多くが値上げしているときに1社だけ値下げして利益に結びつけることを『プライシング効果』と言います。その商品で2割利益が減っても、客数が3割アップすれば、宣伝効果も含めて企業にとっては利益がプラスになります。
なか卯さんの親子丼でいえば、いちばんの定番商品であり、価格の変動が客数に直結する『価格感受性が高い商品』でもあるので、プライシング効果との相乗効果で、客数、利益ともにアップしたと考えられます。
一方、マクドナルドのナゲットは、ナゲットだけを買う客はそれほど多くないと思いますので、プライシング効果で注目を集め、“まとめ買い” や “ついで買い” を誘う『クロスセル』を狙っているのでしょう。
単品で買われると利益が出なくても、他の商品を買ってもらい、総合的に利益が出ればいいという考え方です。いずれにしてもニュースで取り上げられる宣伝効果は計り知れません」
確かに、購買意欲はそそられる。
( SmartFLASH )