二木芳人氏　ワイドショー出演回数2年連続1位に「パンデミックの予測は地震より難しい」【さらばコロナ禍・専門家を直撃！】

ジェントルな語り口で人気を集めた二木芳人氏

　新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、ついに季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行。感染爆発期、ワイドショーに引っ張りだこだった専門家たちはいま、何を語るのか。昭和大学医学部客員教授の二木芳人氏を直撃した。

　二木氏は、2020年、2021年ともに、新型コロナウイルス専門家のなかでの出演回数は1位だ。口元と顎に蓄えた髭がトレードマーク。そんなダンディな出立ちと、ジェントルな語り口で、お茶の間の人気をさらった。「さぞやモテたのでは」と尋ねると、「妻や娘たちが、服装チェックをしてくれたくらい」と答えた。

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「学長や理事長には、大学の宣伝をしてくれてありがとうと、お礼を言われましたよ。おもに出演したのはフジテレビでした。『めざまし8』で、国際政治学者の三浦瑠麗さんには『専門家の方はすぐそうおっしゃる』と、いつも厳しくやりこめられましたが、じつは画面に映らないところでは仲がよかったんです（笑）」

　二木氏は同局の『バイキングMORE』にも、盛んに登場。司会の坂上忍や芸人の辛辣な質問に丁寧に応じ、ファンを増やしたといえる。

　現在、流行中のオミクロン株は、アルファ株から数えれば13番めの変異株だ。わずか1年少々で、驚異的な変化をとげたわけだが、「そこまでは予想しなかった」という。

　また、ワクチンについては、一定数の健康被害が生じるのは防ぎようがないとし、被害者にはなんらかの救済措置を取るべきだと主張する。

「日本ではHPV（子宮頸がん）ワクチンの薬害訴訟などもあって、強い抵抗感を示す人が少なくありません。因果関係をきちんと検証したうえで、ワクチンで不利益を被った方たちを補償する制度を整えるべきでしょう。若い人の場合、そもそも自然免疫が旺盛なので、ワクチンは2～3回打てば十分かもしれません」

　2022年秋に登壇した講演で、二木氏は「コロナは来年秋ごろ収束」と語っていた。

「収束は若干、早かったですが、それだけワクチンの効果があり、集団免疫も獲得できたのでしょう。パンデミックはまた必ず訪れます。しかしそれがいつなのか、予測するのは、地震より困難です」

にきよしひと
1949年生まれ　専門は臨床感染症学。1976年川崎医科大学医学部卒業。2006年に昭和大学医学部教授に就任。2012年より昭和大学病院感染管理部門部門長を兼務。2020年より現職

( 週刊FLASH 2023年5月23日号 )