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“犯人”は「血流悪化」と「活性酵素」最新研究で明らかになった白髪ケアの真実「抜く」「自分で染める」はダメ!

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.06.04 06:00 最終更新日:2023.06.04 06:00

“犯人”は「血流悪化」と「活性酵素」最新研究で明らかになった白髪ケアの真実「抜く」「自分で染める」はダメ!

 

 ふと鏡を覗けば、頭に“白いもの”が1本。思わず抜きたくなったとき、「白髪を抜いたらもっと増えるぞ」という迷信が頭をよぎる――。

 

 人類を悩ませてきた「白髪」だが、この十数年で科学的に原因が解明されつつある。

 

 

「髪を黒くする『メラニン色素』を作るのは、毛根にある『メラノサイト』という細胞です。このメラノサイトの働きが老化によって悪くなると、白髪が発生しやすくなるといわれています」

 

 こう話すのは、美容師の資格を持ち、毛髪診断士でもある齊藤あき氏だ。齊藤氏は、メラノサイトの活動が良好であれば、すでに白髪になった髪も黒く戻すことができるという。

 

「メラノサイトの老化の対処方法は、頭皮を中心に血流をよくすること。また、細胞などにダメージを与える『活性酸素』も白髪の原因のひとつとされ、活性酸素を無毒化させる『抗酸化酵素』を体内で作ることも重要です。

 

 乱れた食生活や生活習慣も、活性酸素を過剰に発生させているうえに、40歳前後からは体内で抗酸化酵素を生成する働きが低下しているんです」(齊藤氏)

 

 白髪に悩み始める年齢は若年化の傾向にある(※関連画像)。白髪に関する調査を担当した「ホットペッパービューティーアカデミー」の田中公子研究員は、現代人が抱える白髪の悩みについて、こう話す。

 

「白髪が増えた男性から聞かれる悩みの多くは『老けて見える』『疲れて見える』というもので、白髪ケアを始める理由も『若く見られたい』というのがいちばんでした。職場で女性と接する機会が増え、『不快な思いをさせたくない』という気遣いが感じられます」

 

 こうした悩みを抱えだした“生え始め”の世代は、どう予防すればよいのか。

 

「白髪を抜くのは、毛根を傷つけるので絶対にダメです。また、白髪染めには活性酸素のひとつである『過酸化水素』が多く含まれており、それが頭皮に残った状態だと、細胞を酸化させる原因になります。白髪染め後は過酸化水素をしっかり除去するのが大切なため、自分でおこなうのではなく、美容室などでお願いしましょう。また、徐々に髪へ色素を浸透させていく『カラートリートメント』を利用するのもおすすめですね」(齊藤氏)

 

 詳しいケア方法は、下記にまとめたとおり。生え始めの「ぱらぱら白髪」のケアをベースに「そこそこ白髪」「ほぼほぼ白髪」と、徐々にケアの内容を深めていってほしい。

 

 齊藤氏は白髪ケアのために、健康も意識すべきと話す。

 

「まずは日常的なシャンプーでのケアを大事にし、できれば生活習慣も気にかけてみてください。ストレッチや運動をおこない、毎日、入浴して血流をよくすることも大切です。

 

 そして、髪のほとんどは『ケラチン』というタンパク質でできており、タンパク質の摂取は大事です。そのタンパク質を構成するアミノ酸の中でも、『チロシン』という成分は、髪を黒くするメラニンの原料となります。これは、アジやサバといった青魚類、鶏肉や赤身肉、大豆製品、玄米、チーズ、ナッツ類などに多く含まれているため、これらを意識的に摂取してみてください」

 

 はやりの“グレイヘア”もいいが、若さをあきらめる必要はない。

 

増えた白髪はそのままに。今年から海外再挑戦中の三浦知良は「そこそこ白髪」タイプ(写真・なかしまだいすけ/アフロ)

 

ぱらぱら? そこそこ? 「白髪タイプ別」ケア方法


「ぱらぱら白髪」
あきらめずにきちんとケアすれば白髪の進行を防ぐことは可能。黒くなる場合もある

 

【シャンプーの仕方】
男性は整髪料を使用することも多く、毎日、シャンプーをするのが基本中の基本。指の腹でマッサージをするように小刻みに丁寧に洗う。2~3分ほど時間をかけて、Tゾーン(生え際と分け目)を念入りに、洗い残しがないようにしましょう。
頭皮が乾燥肌タイプの人は「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分が入ったものを、脂性肌タイプの人は「石けん系」や「オレフィン系」「硫酸系」の洗浄成分が入ったものを選びましょう

 

【そのほかのおもなケア】
●頭皮への紫外線のダメージに気をつける。UVスプレーの使用も
●目の疲れは血流悪化の大敵。眼精疲労予防も
●クッションブラシを使って、頭皮マッサージ
●お風呂に入って全身の血行促進、リラックス効果を得る

 

「そこそこ白髪」
進行を抑えるケアと髪を育むケアを意識すべきだ

 

【シャンプーの仕方】
基本は「ぱらぱら白髪」と同じだが、より頭皮をほぐすように洗うことを心がける。すすぎは洗いの倍は時間をかけるつもりでしっかりおこないましょう

 

【そのほかのおもなケア】
●育毛剤を取り入れて、血行促進をより促す。頭皮に潤いと栄養も与えてくれる
●週2、3回ほどシャンプー前のオイルケアをおこなうと育毛剤なども浸透性が高くなる
●白髪染めのしすぎに注意。多くても1カ月から1カ月半に1回。なるべく、美容室でやってもらうことを心がける

 

「ほぼほぼ白髪」
かなり体内の老化が進んでいるため頭皮へのケアだけでなく、
食事面のケアもよりいっそう気をつけましょう

 

【シャンプーの仕方】
ベタつきや痒みが気になる方は、「グリチルリチン酸2K」など抗炎症成分が配合されているものを使用するのもよいでしょう。なるべく頭皮環境を整える「スカルプケア」に、特化したシャンプーを使いましょう

 

【そのほかのおもなケア】
●カラフルな食材(1食で最低5色、できれば7色)を摂取するように心がける
●外食、加工食品、揚げ物などはなるべく控えるようにする
●早食いはNGです。よく噛んで食べる
●デトックス食材を摂る。「玄米」「黒米」「大根」「ねぎ」「長いも」「オクラ」など
●東洋医学における「腎」を元気にする食材を摂る。「ひじき」「わかめ」「黒ごま」「牡蠣」「あさり」など
●抗酸化作用のある食材を摂る。緑黄色野菜、フルーツ、ハーブやスパイスのほかに「サーモン」「エビ」「そば」「カカオ・ココア」「緑茶」など

( 週刊FLASH 2023年6月13日号 )

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