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【ニャイス・トゥー・ミート・ユー!】壺屋焼のねこ

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2017.12.16 16:00 最終更新日:2017.12.16 16:00

【ニャイス・トゥー・ミート・ユー!】壺屋焼のねこ

 

 かつて琉球王朝が、各地にいた陶工を集めたことから始まったという沖縄の壺屋焼。那覇市の「壺屋やちむん通り」には、昔ながらの窯元が軒を連ねている(「やちむん」は沖縄弁で焼き物の意味)。

 

 その中の1軒「つぼや工藝店」を覗くと、創作陶芸家約10人による皿や器などの作品が並べられている。そんな焼き物の間に、モコモコした1匹のねこが! 店主の日沼瑠さんが飼っている乱歩だ。

 

 壺屋焼の名工の家に生まれた日沼さん。店を継ぐかたわら、自身も創作活動を始めるようになった。

 

「2010年の初めころから、創作に集中するため、店の地下室で陶芸の修業を始めました。その約半年後に出会ったのが乱歩でした」(日沼さん・以下同)

 

 生後3カ月くらいの野良ねこで、店の前をさまよっていたという。尻尾の付け根には、大きな打撲もできていた。日沼さんが病院に連れていき、餌を与えると、まるでお礼を言うかのように日沼さんの太ももによじ登り、体をスリスリ。

 

「そんなことされたら、見捨てるわけにはいきません(笑)」と、日沼さんはねこを引き取ることを決意。女の子だが、保護したときフラフラと乱れるように歩いていたこと、日沼さんが江戸川乱歩のファンだったことから、「乱歩」と名づけられた。

 

「お客さんからよく『器を落としたりしませんか?』と尋ねられます。たしかに1歳くらいになるまでは、数カ月に1度、ガッチャーンと高価な器を割ったことがありました。でもそれで身のこなしを学んだのか、今は絶対に落としたり割ったりしませんね」

 

 日沼さんが大好きで、いつもいっしょでないと落ち着かない乱歩。

 

「乱歩を見ていると『背中のゆるやかなカーブがいいな』とか、創作のヒントがいろいろと湧いてきます」

 

 癒やしだけでなく、創作のインスピレーションも与えてくれるようだ。

 

(週刊FLASH 2017年9月26日号)

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