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年末ジャンボ1億5000万円当選も「いい思いはなんもしてない」投資ですべてを失った男は「次は起業したい」【宝くじ当せん後の人生】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.19 06:00 最終更新日:2024.12.19 17:21
ある日突然、大金を手にした男たちは幸せになれたのか。宝くじ「高額当せん者」に、“その日” 以降を振り返ってもらった。
1996年12月、営業マンをしていた香川県在住の蔵間雄土さんは、仕事で東京を訪れた。朝、偶然目に入った占いによると、この日のラッキーカラーは「紫」だった。
「有楽町を歩いていたら、偶然、『紫』の小型乗用車にぶつけられそうになった。ピンときましてね。視界に入ったのが、宝くじ売場でした」
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日本一有名な売場で「年末ジャンボ」を購入して帰宅。部屋にあった紫水晶の下に宝くじを置いた。翌月、売場に持ち込んで、1等前後賞合わせて1億5000万円の当せんを知った。
「感動はまったくなかったですね。『当たったんや』くらいの感じ。10億円とか、もっとお金が欲しいと思っていたんでね。でも、ベッドにお金を敷き詰めるのは一度、やってみた(笑)。石の上で寝てるみたいで、痛くてね」
当せん金で購入したのは、50万円弱の国産腕時計くらい。運気を上げるためにピラミッド型の自宅を建築しようとしたが、見積額は3億円超。蔵間さんには、まだまだお金が必要だった。
そんな蔵間さんには、投資家として成功している知人がいた。彼の財布にはいつも400万円、スーツケースには3000万円も入っていたという。蔵間さんは、その人を信じて、当せん金を投資に使うことにした。
「その人、通帳も見せてくれて、 “億” 入ってたからね。すごいなと思って、カネを託したんです。最初は、1000万円から始めて、少しずつ増えて、最高で5億円までいった。そこでやめとけばよかったけど、結局、残金をすべて注ぎ込んで、4年でなくなった。アホやった、いうことです」
1億5000万円は、きれいになくなってしまったという。
「当たったときより失ったときのほうがショックでした。放心状態で、明日からの生活をどうしようかと。朝は食パンに水をつけて食べて、昼はかけうどんの小を食べて、とか。食欲もなくなった」
2008年になって、「女性自身」で高額当せん者であることを公表。占い師として人気を博し、近年は自らの過ちをメディアで語ることも多い。当せんを知った蔵間さんの両親は、息子にこう投げかけたという。
「一緒においしいものを食べに行くとか、旅行に行くとかいう気はなかったんか?」
蔵間さんは後悔している。
「お金を増やしてから、親孝行しようと考えた。俺自身、いい思いはなんもしてない。1回でも銀座のクラブに行っておけば、少しはいい思いもできたかもしれん。もし、また宝くじが当たったら、今度は人を喜ばせるために、起業したいと思っています」
12月21日まで発売されている年末ジャンボの当せん金は、1等前後賞合わせて10億円にまで膨らんでいる。
もし自分が幸運を射止めたとき、あなたは冷静でいられるだろうか――。