ライフ・マネーライフ・マネー

「田んぼの学校」校長に!大桃美代子が福島県矢吹町で挑む「後継者育成」と「生きた化石」農法

ライフ・マネー
記事投稿日:2025.07.19 06:00 最終更新日:2025.07.19 22:27
出典元: 週刊FLASH 2025年7月29日・8月5日合併号
著者: 『FLASH』編集部
「田んぼの学校」校長に!大桃美代子が福島県矢吹町で挑む「後継者育成」と「生きた化石」農法

カブトエビを手にした大桃美代子

 

「令和の米騒動」で大忙し! 田んぼに夢を託してきた芸能人に聞く、米作りの喜びと人生転機とは――。

 

大桃美代子(60)の実家は、新潟・魚沼の農家。新潟市の農業生産組合とタッグを組んで2007年から黒米「桃米」の有機栽培をおこなってきた。

 

「桃米」とは、自分の名から一文字取ってつけた古代米だ。

 

「2004年の中越地震の際、たまたま実家にいて、地元の惨状を目の当たりにしました。地震を風化させず、復興の願いをこめて始めたのが『桃米』作りでした。ただ、異常な米不足の影響で、現在は白米の生産を優先しているんです」

 

 

 そんな大桃は、2012年から福島県矢吹町の「田んぼの学校」の校長も務めている。そこで今回は、矢吹町でおこなわれている「カブトエビ農法」の現場を案内してくれた。

 

「テレビ番組で知り合った東京農業大学の長島孝行教授(当時)のご紹介で、17年に校長に着任したんです。カブトエビは『生きた化石』とも呼ばれる原始的な甲殻類。田んぼの中に生えた雑草の芽を食べ、泳いで水を濁らせるので、雑草に光合成をさせず、生育を抑える効果をもたらすんです」

 

 と語りながら、大桃はカブトエビの腹部にびっしり生えた胸肢が動く様を手の指でまねしてみせた。

 

「田んぼの学校」では、稲作を通じて矢吹の肥沃な環境を子供たちに伝えている。矢吹町内の3つの小学校から5年生約100人が毎年5月末~6月初旬の田植え、10月の稲刈りに参加している。

 

「みんな泥んこになって、コシヒカリの苗を手植えしてくれます。大人と子供の間に大学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんがいるのも強み。気さくに稲や生き物についていろいろ教えてくれますから。後継者育成の一助になれたらいいなと思います」

 

 安心安全で、米本来の旨味が味わえるカブトエビ米は、矢吹町のふるさと納税の返礼品にもなっている。

 

大桃美代子
タレント、農政ジャーナリスト。ニュースをはじめ、料理、クイズ、バラエティ、情報番組と、幅広い分野で活躍。韓流にはまり、韓国に語学留学をするほどの韓国好き。「阪神・淡路大震災」は大阪滞在中に、「中越地震」を新潟県魚沼市の実家に帰省中に被災し、災害と復興について考えるきっかけに。風化させないことをテーマに情報発信や、復興のための地域活性化にも携わる。雑穀エキスパート、ジュニア・野菜ソムリエ、おさかなマイスター・アドバイザーの資格を取得するなど食育や農業に関心が高く、地元の新潟にて古代米作りをし『桃米』として販売する。地域活性化に取り組む団体を支援するため全国地方新聞と共同通信が設けた『地域再生大賞』選考委員を務め、視察や優れた取り組みを紹介するなど、地域の魅力を発信することに力を注いでいる。現在、UX新潟テレビ21『まるどりっ!UP』、文化放送『川合俊一と大桃美代子の「土曜日はトレンド・カフェへ」』などに出演中。また一般社団法人国際SDGs推進協会名誉理事、新潟食料農業大学客員教授、魚沼市PRアンバサダーとしても活動している

 

写真・保坂駱駝
取材/文・鈴木隆祐

続きを見る
12

今、あなたにおすすめの記事

ライフ・マネー一覧をもっと見る