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2017年は500皿も「日本一パンケーキを食べている男」の転機

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.03.08 06:00 最終更新日:2018.03.08 10:03

2017年は500皿も「日本一パンケーキを食べている男」の転機

 

 2017年に食べたパンケーキ約500皿。ネットで評判のスイーツライター、ミスター黒猫さん。昔から食べ歩くのが好きで、サラリーマンだった12年前、食べたものや美味しかった店などを記録しておこうとブログを始めた。

 

 役付きの会社員で名前や顔を出せなかったので、当時飼っていた黒猫にミスターをつけてペンネームとし、猫の被り物をつけた。実際、店を訪れるときも、顔は知られていないほうがなにかと都合がいい。

 

「最初は趣味でブログを書いていたんです。けっこう読者さんとかフォロワーさんが増えてきて、記事の依頼も来るようになりました。でも、仕事も忙しいし全部断わっていました。ビジネスとして始めたのは3年前から。

 

 そのころからウエブ媒体が盛んになってきて、大手のサイト運営会社から、新しいグルメサイトを立ち上げるので、と連載を頼まれました」

 

 運営会社の制約や制限のある記事を書かなければいけないと思った黒猫さんは断わった。それでも担当者からは粘り強く何度も連絡が来た。

 

 それで、会うだけ会ってみることにした。話を聞けば、ラーメン、カレー、餃子などそれぞれの分野の専門家が記事を書くということで、スイーツ担当の依頼。

 

 注文は一切なく、好きに書いていいとのことで、おもしろそうなので承諾した。ちょうど同じ時期、勤めていた損害保険会社に突然合併話が持ち上がった。社内に動揺が走り、自らの将来も不透明になってしまった。

 

 残っても難しいと考え、早期退職を願い出た。そして、独立して損害保険の代理店を作った。転機が二つ重なったが、黒猫さんは結局、ライターという新しい道を選んだ。

 

「連載の記事を書くことが、ライターとしての最初の仕事になりました。粘り強くすすめてくれた担当者に出会わなければ私の転機はなく、代理店をやりながら、今もブログだけを書いていたと思います。

 

 限られた人が見ることの多いブログと違い、一般の人の目にふれるので、いい反応も悪い反応も返ってくる。それが刺激になって、どのように書き、撮影したら喜んでもらえるのかわかるようになりました。

 

 すると依頼が増え、今はサイト運営会社4社に週1回の連載を持ち、ほかに単発の記事も書きます。代理店の仕事は休業中ですが、取材経費なども出ますから、普通にやっていけます。これ以上忙しくなると食べ歩きの時間がなくなってしまうので……」

 

■キャッチフレーズは「日本一パンケーキを食べている」

 

 黒猫さんが2017年に訪れたカフェやスイーツ店は約1000店。朝は喫茶店のモーニング、昼はカフェのランチ、夕方にスイーツ、夜は焼き肉など、すべて外食。営業マン時代も時間が空くと喫茶店に行った。「3年前までの山手線沿線の喫茶店ならほとんど知っていた」というのだからすごい。

 

「スイーツのなかで主流はパンケーキで、女子に人気があります。私のキャッチフレーズは『日本一パンケーキを食べている』ということ。去年は1年間で約500皿。1日1皿は絶対食べ、土日にパンケーキ仲間の女子たちと一緒に食べ回るときは、1日に何軒か行きます。すると、500皿ぐらいになってしまいます」

 

 パンケーキにこだわるのは、パンケーキは注文してから焼かれるところにある。作りたてのアツアツのスイーツが食べられることはあまりない。それが贅沢だ。

 

 また同じ店でも、人によって焼き方が異なると味が違う。同じものはまず出ない。それがおもしろいし、奥が深い。最近は一人で食べている中年男性も増えている。

 

「実際に食べて美味しかったことしか記事にしません。それがポリシーで、ファンの方々はそこを評価してくれているのだと思います。転機となったグルメサイトのアクセス数は3年連続1位で、トップ賞をもらいました」

 

 仕事とは別にツイッター、インスタグラムと忙しい。美味しさがこぼれるような写真が楽しい記事だが、一時は20キロ太った。米を一切断ち、体重を元に戻し、今もキープしている。ミスター黒猫は、自分の記事と写真にそれこそ命をかけている。

 

(週刊FLASH 2018年3月13日号)

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