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【オープンマリッジのリアル】34歳女性、“計画出産” 後に社長・弁護士と交際…性に淡白な夫は「ダメという権利はない」とあっさり承認

ライフ・マネー 記事投稿日:2025.12.11 14:30 最終更新日:2025.12.11 14:30

【オープンマリッジのリアル】34歳女性、“計画出産” 後に社長・弁護士と交際…性に淡白な夫は「ダメという権利はない」とあっさり承認

夫公認で社長、弁護士と交際する30代の遥香さん

 

 人気YouTuberのヒカルが9月14日に公開した動画で、「僕たちはオープンマリッジで生きていきます。簡単に言うと、浮気OKになりました」と宣言し、大きな注目を浴びた。同時に批判も呼び、ヒカルのYouTubeチャンネル登録者は、数万~十数万人がいっせいに離脱したとみられる。

 

 オープンマリッジを謳う夫婦関係では、婚姻自体が虚偽のように映るが、人は必ずしも完璧な結びつきを前提に添い遂げるわけではないだろう。そこに打算が働く可能性もあるし、また性的な話が最重要項目とは限らない。オープンマリッジの実例を見るにつけ、そう思わざるを得ない。

 

 都内に在住する心理カウンセラーの青山遥香さん(仮名)は34歳。夫婦ともども早稲田大卒のインテリで、2人が知り合ったきっかけも同窓の集まりだったという。

 

「共通の友人が主催する食事会に出席して親しくなったんです。私は大学卒業後、国立大の大学院に進み、臨床心理士の資格を取って間もない頃。25歳のときで、夫は9歳上のバツイチでした。夫は大学院の修士課程を終え、大手メーカーでSEをしています」

 

 6歳と4歳の女の子の母親でもある遥香さん。夫は、前の結婚では子どもはできなかった。淡白な夫との性的不和は、同棲後しばらくして感じたという。

 

「彼の家で週末泊まる生活を2~3カ月続け、同棲に入りました。いろいろな点で感覚があい、だからこそ結婚したんですが、夫はあまり性に意味を見出していない感じでした。当初から、いわゆるラブラブって感じではなかったですね」

 

 互いに「それでも一緒にいたい」との思いは変わらなかったが、やはりセックスレス状態に。そこで出した結論が「計画出産」だった。切り出したのは遥香さんからだ。

 

「夫はとても合理的な人間。いくら親密になっても、侵入してほしくない領域には入ってこない。夫は、性行為は嫌いでも子どもは欲しいと思っていた。私も同じでした。ただ、夫は性への情熱がとても薄い。だから、自分から “妊娠宣言” をして、妊娠までの最低限の行為を選択したんです。

 

 7年前の12月に同棲を開始し、翌年3月には宣言し、著名な妊活ドクターの診療も受けました」

 

 そして、7月の遥香さんの誕生日に婚姻届も出した。すべてが彼女主導だった。遥香さんの思惑どおり、翌年には第1子が誕生。以降もセックスレスだったが、2年置いて第2子を宿す際も、夫に “お願い” したのだという。

 

「私も夫も東京の生まれですが、下町育ちの私と違い、夫は都心の有名男子進学校出身。夫の父は大手建設会社の技師で、弟は医者をしています。あまり細かいことは尋ねていませんが、最初の結婚は就職後2~3年の27歳のときで、相手は部下で年上だったそうです。別れた理由は性格の不一致と聞いています」

 

 性への関心は希薄だが、夫は人間不信でも、自分にしか関心がないパーソナリティ障害でもない。とても穏やかで優しく、子育てにも積極的に参画し、遥香さんの親や友人との関係も良好という。

 

 ただ、「人並みかそれ以上の性欲の持ち主」という遥香さんとの夜の営みは、結婚直後から “出産計画” のとき以外、いっさい途絶えていた。そこで、遥香さんは次にオープンマリッジを持ち出した。

 

「下の娘が2歳になる頃、母役と妻役だけが私の人生ではないとの思いから、夫の前に付き合っていた人と再び会ったんです。たまたま夫と同じ9歳年上で既婚でしたが、なんというか軽い感じの人で、夫のようには尊敬できない相手。でも、いざ異性に会おうとなると、彼ぐらいしかいなかった。そこで、わずかな間ですが、寄りを戻しました」

 

 そのうしろめたさが遥香さんに拍車をかけた。「新しい人を探したい」と夫に正面切って告げたのだ。

 

「隠そうと思えばできたので葛藤もあったのですが、それで夫に拒否されたら、彼とは別れる覚悟でいました。そしたら、『俺が満たせないものね。ダメという権利はないな』とあっさり言われたんです。毎晩、抱きしめたりはしてくれますよ。でも……」

 

 遥香さんはさらなる相手を探すため、既婚者向けのマッチングコミュニティ「Healmate」を利用した。35万人が登録しており、うち女性の割合は46%と、女性比率の高さで知られる。

 

「冷やかし半分の人も、本気で相手を求めている人もいて、まちまちです。そこでおよそ15名と知り合い、実際に会ったのは半分ぐらい。3回以上会って、男女の関係になったのは3人だけです。

 

 最初のお相手はタイでSNSビジネスを展開し、成功している人でした。彼は2拠点生活で、当時はよく日本にも来ていました。4人の子だくさんで、もっと欲しいと言っていました。一夫多妻制にも興味があるようでした」

 

 最初の彼はポリアモリー(複数恋愛制)という言葉を聞いたことがある程度だったというが、遥香さんとの交際を通じてオープンマリッジに強い関心を持つようになった。

 

「彼は異様に腰が低く、それでいて『いつか教科書に載りたい』なんて口にする、出会ったことのないタイプ。夫にも会いたいと言ってきて、家族そろって会ったり、夫と一緒に飲みに行ったりもしたようです。私は交際中の彼との子供が欲しい、新しい家族の形を作りたいと思いました」

 

 ところが、そのお相手は妻に自分の意志は伝えていなかった。遥香さんとの関係が深まって、理解を得ようと告白すると、妻は病んでしまったという。

 

「奥さんはアルコール依存になり、彼のスマホに勝手にGPSアプリを入れ、日本に行くのも当然禁止となりました。それで、お互い好きなままお別れになってしまったんです。とてもつらい別れでした。

 

 いま思えば、奥様に理解を得ようとするのは無理でした。今後、お付き合いする男性の奥様が悲しむような恋愛はしないと心に誓いました。これが私のオープンマリッジ実践1年目でした」

 

 現在は「コンスタントに会う男性が2人いる」という遥香さん。1人は20歳上の上場企業の社長、もう1人は10歳近く年上の法律家で、いずれも既婚だとか。

 

「できれば違うジャンルの人と付き合いたいと思って。マッチングサイトを利用するのは経営者が多いんですよ。2人ともオープンマリッジではなく、それぞれ夫婦仲は円満だそう。私自身、円満な人にしか興味がないんです。

 

 2人の共通点は、知的な会話が楽しめるところ。社長とはもう1年のお付き合いだけど、あまりプライベートを語りたがらない。私と会うときはまるで別世界にいて、違う自分がいるようだと言います。私のビジネスの相談にも乗ってくれて、そういう面でも出会えてよかったと思っています。

 

 法律家の方とはまだ知り合って3カ月ぐらいなのでよくわからないけれど、こちらはお互いの配偶者や過去の異性関係の話も普通にしますね。なんでも話せる人という感じで。彼は容姿的にも性格的にも女性にモテそうな方です」

 

 マッチングサイト内にもオープンマリッジを標榜する男性が稀にいるという。しかし、「面白いと思える人は誰もいない」とか。

 

「妻から忌避されて、OKをもらっている男性が多い気がします。本当にカッコいい、モテる男は、妻がそんなことOKするわけないと思います。私は円満にオープンマリッジをしてますので、同じスタンスならいいんですけどね。

 

 お相手2人に関しては、いかにも仕事ができる感じで、うまく嘘がつけて生涯浮気するタイプなのも一緒。

 

 でも、夫は不器用だけど、信用できるし安心できる。私の苦手な家事が得意で、できることなら主夫になりたいと言っていますし、仕事が大好きな私とはそういう面でも相性がいい。私、できる男を支える奥さんにはなれないんでしょうね(笑)。男女の役割が、ある意味、逆転しているのかもしれない」

 

 驚いたことにオープンマリッジ経験を通じ、遥香さんはもはや、夫とのセックスレスもプラスに捉えているという。

 

「いまでは夫とは完璧な関係。それはセックスがないことも含めて。夫を性の対象とは別として分けられたことが、私にとってベストだったなと思います。変に求めてきたり、グタグダとどちらかの熱量が上がることもなく、本当に家族として過ごせています」

 

 およそ男性的な振る舞いに見えなくもないが、遥香さんはいわば、性を自在にアウトプットできており、その「自由さが何よりも大事」だという。オープンマリッジが真に意味するところを会得した、稀有な女性といえそうだ。

 

取材・文/鈴木隆祐

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出典元: 週刊FLASH 2025年12月23日号

著者: 『FLASH』編集部

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