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王はなく玉が2つ「名人戦第1局」でしか使われない駒と盤
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.05.14 11:00 最終更新日:2018.05.14 11:00
「1949年、栃木県の愛棋家から『名人戦に使ってください』と、連盟に寄贈されました。少なくとも1960年代中ごろから、名人戦第一局でしか使われていません」(日本将棋連盟・高峰茂生氏)
名人戦第一局のみで使われる「名人駒」と「名人盤」。唯一無二の逸品には、値段はつけられないが……。
「単純な商品価値なら、100万円以上はします。駒は大正から昭和期の名工・奥野一香の全盛期の作です。長く指しても疲れない木地と、王はなく、玉が2つの “双玉” が特徴。
盤の素材は、最高級とされる日向産のカヤ材です。どちらも、名人たちが実際にふれて、『逸品ですね』と唸ります」(同前)
駒は最高級とされる御蔵島産のツゲ材から作る。玉将には「奥野作」の字が。漆を塗り重ねた「盛り上げ駒」で、力強い字体が特徴的だ。
盤はカヤ材を40年ほど乾かしてから作られるので、明治後期に伐採されたものとみられる。傷や漆の剝がれを直すため、何度か面が削られており、盤の厚みが減っている。
専用の桐箱が誂えられたのは1978年。当時の将棋連盟会長だった大山康晴十五世名人が揮毫した。
(週刊FLASH 2018年4月24日号)