
さまざまなポイントサービスが「ポイント運用」を採用している
「ん? なぜか、ポイントが増えている!」
買い物や決済で貯まったポイントを、なんとなく「運用」にまわしていた人は最近、思わぬ変化に気づいているのではないだろうか。
本誌記者も、その一人だ。あまり深く考えずに運用へまわしていたところ、気がつけば運用益はプラス4284ポイント、運用益率はプラス37.80%に達していたのだ。
たいして仕組みを理解していなくても、これだけ増えている。ならば、仕組みをきちんと理解すれば、もっと大きく増やせるのではないか。この機会に、ポイント運用の基本を押さえておきたい。
「ポイント運用」を利用できるのは、PayPayポイント、Pontaポイント(au PAYポイント)、dポイント、楽天ポイント、永久不滅ポイントなど。株価や投資信託の基準価額に連動して、ポイントが日々増減するサービスだ。
「ポイント運用は、あくまで投資の疑似体験なんです」
そう話すのは、ポイ活の第一人者である「ポイ探」代表の菊地崇仁さんだ。
「証券口座を作って株や投資信託を買うわけではありません。選んだコースの値動きに応じて、ポイントが増減する仕組みです。投資に興味はあるけれど、どう始めればいいかわからない人でも、気軽に試せるのが最大のメリットです」(菊地さん)
■証券口座を作らなくても2~3分で始められ 1ポイントから運用できるサービスも
どのサービスも、基本的には1ポイント単位で運用できる。あなたに合ったポイント運用はどれなのか。それぞれの強み・弱みや、各サービスの特徴を菊地さんに解説してもらった。
「PayPayポイントはコース数が多く、自分に合った運用を選びやすい半面、追加時などにコストがかかる場合があります。Pontaポイントは、米国株やインド株など選択肢が増え、中級者向けの印象になりました。dポイントは投資テーマがわかりやすく、楽天ポイントは選択肢を2コースに絞っており、いずれも初心者向けの設計です。一方、永久不滅ポイントは有効期限がなく、ふだん使いしにくいため、長期運用にまわしやすいのが特徴です」
実際に、ポイント運用を生活に取り入れているのが、サラリーマン投資家のJACKさん。PayPayポイントを運用していると語る。
「ホーム画面からそのまま運用できるので、『PayPayポイント運用』をしています。証券口座を作らなくても2、3分で始められるし、いちばんハードルが低いと思います」
ポイント運用の魅力は、投資でありながら、心理的な負担が軽いことだ。
「どうせポイントなら、失っても心理的なダメージは小さいですよね。『いつ損切りすべきか』と頭を悩ませるような緊張感もありませんし、現金だったら怖くてできない選択肢だって、ポイントなら試せるのではないでしょうか」(JACKさん)
実際にJACKさんの運用成績を見せてもらった。保有するPayPayポイントが31%以上も上昇し、3万1411ポイントにもなっている。
「これでも、ポイントがある程度貯まるたびに、使ってしまっているんです。投資でいう利益確定と同じです。お金ではなくポイントだからこそ、使ってこそ意味があると思っています」(同前)
■「ポイント運用」は、より本格的な投資を始めるステップになる
では、ポイント運用にマイナス面はないのか。菊地さんは「基本的に大きなデメリットはない」としつつ、2つの注意点を挙げる。
「ひとつは、運用にまわしたポイントは、引き出すまで買い物に使えないこと。ふだんの生活費にポイントを使いたい人にとっては、そこがネックになります。もうひとつは、当然ながら下落リスクがあることです」
また、ポイント運用で増えた利益は、基本的にはポイントとして還元される。現金として戻ってくるわけではないことは、注意が必要だ。そこで、菊地さんはこう提案する。
「ポイント運用で値動きに慣れて、こんなものかとわかったら、次はポイント投資に進めばいいと思います。ポイント投資では、証券口座を開設し、貯まったポイントで実際の株式や投資信託などを買うことになりますから、より本格的な投資を始めるステップになりますよ」
菊地さんは、ポイント運用の最大の魅力をこう話す。
「ニュースで日経平均が7万円を超えたと言われても、実感は湧きにくいですよね。でも、自分のポイントが増えたり減ったりすると、『ああ、相場ってこういうことか』とわかる。ポイント運用をきっかけに、世界が広がるかもしれません」
スマホに眠るポイントが、資産づくりの第一歩になるのだ。
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