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精巣ガンを克服した男「100kmマラソン」に挑戦し続ける

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.06.03 20:00 最終更新日:2018.06.03 20:00

精巣ガンを克服した男「100kmマラソン」に挑戦し続ける

 

「ガンは、かかると一度、すべてが奪われる病気」だと大久保さんは言う。

 

「身体的な機能だけでなく、社会的な役割、家族との時間まで、奪われます。だから僕はガンになって、以前できていたことを取り戻したい、と考えました。走ることもそのひとつなんです」

 

 大久保さんにとって、スポーツは自分に病気の前の生活を取り戻させる、大切な手段だったのだ。いまでは大久保さんと同じガン経験者が、スポーツにより以前と近い生活を楽しんでいる。

 

 米国がん協会も、ガンの治療後に運動をおこなうことは、健康状態、生活の質を高めるのに有効、というレポートを発表している。

 

「5yearsのコミュニティでも、大腸ガンでストーマ(人工肛門)を造ったあと、バドミントンを楽しむ男性や、ジョギングを始めた女性がいます」

 

 じつは大久保さんには、アームストロング以外にもう一人 “英雄” がいる。ガンで入院していたとき、病室に持ち込んだランニング専門誌の、小さな囲み記事に載っていた女性だ。

 

「68歳の飲み屋のおばあちゃんの投稿でした。『私は膀胱ガンになってしまいましたが、退院して、またジョギングを始めました!』というような内容で。

 

 それを読むまで『アームストロングはすごい人だから、自分はできなくても仕方がない』という気持ちが、心のどこかにあったんです。

 

 でも、68歳のおばあちゃんが、同じことをしているなんて、と思って。『コンチクショウ、俺だって!』とね(笑)」

 

 ガンになったからといってあきらめない。その気持ちを、スポーツが作ってくれるのだ。

 

(週刊FLASH 2018年5月8・15日合併号)

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