ドラマ『西部警察』のマシンX(写真・木村哲夫©石原音楽出版)
ドラマ『西部警察』(テレビ朝日系)に登場したマシンXは、大門圭介部長刑事(渡哲也)率いる初代大門軍団を象徴する特殊車両の一台だ。
1980年式の日産スカイライン2000ターボGT-Eをベースに、無線機やコンピューター、カメラなど、52種類の特殊装置を装備。犯人追跡や捜査の最前線で活躍した。林エックスさんは、このスーパーマシンの現在のオーナーである。
YouTubeなどにはこのマシンXを紹介する動画が数多く公開されているが、オーナー自身が顔を出して登場するのは、じつは今回が初めてだという。そこには、ある事情があった。
「嫁や子供には内緒で、500万円で買ったクルマなんです。もう5年半乗り続けていますが、いまだに僕がオーナーだということを家族は知りません(苦笑)」(林さん、以下同)
石原プロモーションから車両の廃棄処分を依頼されていた中古車販売業者は、熱心なファンとともに「このまま廃車にするのはもったいない」と石原プロ側に保存を訴えた。その結果、正式な譲渡を経て、車両はレストアされることになった。
その後の2016年1月、調布市文化会館で開催された、市制施行60周年特別企画「石原裕次郎展」で復活したマシンXが披露された。会場には『西部警察』の「サファリ」に加え、『ゴリラ・警視庁捜査第8班』(テレビ朝日系)の「スタリオン」も並んだ。
さらに2018年には、味の素スタジアムでおこなわれた『西部警察』の全車両が集結する撮影会にも参加。同年8月には『永久保存版 西部警察マシンX写真集』(青志社)が発売された。長年にわたり、ファンから愛されてきた車両の一台だ。
自身も『西部警察』の大ファンである林さんは、2016年、2018年の展示にも足を運んでいた。それから数年後、マシンXを所有していた中古車販売店のオーナーから譲渡の話が舞い込み、熟考の末、購入を決めたという。
「本物の劇中車ですから、見ず知らずの人の手に渡ってほしくなかったんです。マシンXを引き取りに行き、そのまま自走して帰ったのですが、道中では後ろの車から写真を撮られたり、追い抜いていくドライバーとアイコンタクトを交わしたりと、すごい注目度でしたね。あの優越感は、最高に気持ちよかったです。いまでも街で『マシンXですか?』と声をかけられることがけっこうあります」
林さんのもとにマシンXが渡ると、より忠実に劇中の姿を再現するため、『西部警察』の熱心なファンたちが集結した。写真集を細部まで検証し、DVDをコマ送りで確認するなどして、当時使われていた部品を地道に探し出したという。そこにあるのは、作品を愛するファンたちの並々ならぬ執念である。
「友人たちの助言が本当に大きかったですね。たとえば、中央コンソールのテンキーが年代物の東芝製電卓の部品だと友人が気づき、ヤフオクで落札してくれたんです。そうやって周囲の協力に支えられながら、3年の歳月と100万円ほどの費用を投じて復元を進めてきました」
貴重な車両だけに、走行距離は約2万1000km。遠方のイベントへ行く際は、積載車で運んでいる。「富士山自動車博覧会 西部警察スペシャル」をはじめ、数々の旧車イベントに参加し、ファンを喜ばせてきた。
「西部警察ファンのみなさんにマシンXを見てもらい、当時を懐かしんでもらえたら嬉しいですね。妻がこの記事を目にしなければいいのですが(笑)」
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