刺身や海鮮丼といった “花形メニュー” も好きだが、小さな食堂の飾らないメニューも楽しい。素朴でクセになる一皿を求め、全国の市場を旅してきたフォトグラファーが誘う “河岸グルメ” の世界!
●京都市中央卸売市場第一市場 石田食堂(京都)
日本初の卸売市場が京都に出来たのが、1927(昭和2)年。食堂棟がなかった当時から屋台を引き、京都の板前たちの胃袋を満たしてきた一軒のラーメン店がある。
うっすらと白濁したスープのラーメン(650円)は、朝からサラサラと食べられる優しい味に仕上がっている。そのなかにもしっかりとコクがあり、どかっと盛られた小口切りの九条ねぎがたまらない。
これぞ、京都の市場ならではの一品といえよう。
写真/文・中田浩資
なかたひろし
1975年生まれ 徳島県出身 フォトグラファー。北京にて通信社で報道写真に携わったあと、会社員を経て2004年よりフリー。旅写真を中心に活動中
(週刊FLASH 2018年6月19日号)