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ハムなら1日80枚までOK「食品添加物が危ない」の嘘を検証するライフ・マネー 2018.08.19

ハムなら1日80枚までOK

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 5月以降、「週刊新潮」が毎週のように報じた「食べてはいけない食品」特集。食品添加物について「発がん性がある」「味覚を破壊する」などと指摘し、食品を実名で紹介、反響を呼んだ。

 

 

 はたして、日本の大手メーカーが販売する食品は、そんなに「危険まみれ」なのか? 本誌の取材で、添加物以上に恐ろしいリスクが明らかになった――。

 

 内閣府・食品安全委員会の公式ブログに「食品健康影響評価書を引用した週刊誌記事について」と題する記事が掲載されたのは、5月17日のことだった。

 

 この日に発売された週刊誌の記事が、同委員会による評価書の一部分のみを引用し、評価の結論とは逆のネガティブな面を強調していることに、注意を喚起する内容だった。

 

 同委員会が問題視した「週刊誌記事」とは、週刊新潮の「食べてはいけない『国産食品』実名リスト」だ。5月以降、数回にわたって掲載された。

 

 第1弾の記事では、食品添加物の一種である亜硝酸ナトリウムとソルビン酸の組み合わせには「相乗毒性」があるとし、<毒の相乗効果で発がん性の「ハム」「ウインナー」>の見出しが躍る。

 

「新潮の記事はまったくのデタラメであきれてしまいます」

 

 そう語るのは、鈴鹿医療科学大学副学長の長村洋一教授。

 

「新潮では『両者の加熱試験反応によりDNA損害物質が産生されることが報告されている』と、評価書の都合のいい部分だけを抜き出しています。しかし評価書には続きがあり、通常条件下では健康に対する懸念はない、と結論づけているのです」

 

 新潮が相乗毒性の根拠とした「加熱試験反応」とは、試験管内で添加物の溶液を1時間、90度で加熱するというもので、体内ではもちろん、食品加工の際も起こりえない状況だという。

 

「新潮の一連の記事では、食品添加物や化学調味料などを危険な物質と害悪視し、それらを含む商品を『食べてはいけない』と言っています。しかし、その科学的根拠は、引用の方法が間違っています」(長村教授・以下同)

 

 新潮がおもに危険性を指摘している添加物は「亜硝酸ナトリウム」「ソルビン酸」「リン酸塩」などだ。これらはどんな物質なのか。

 

「『亜硝酸ナトリウム』は、発色剤・保存料としてハムやソーセージに使われています。毒性が非常に高い物質ですが、添加物として使用される量はきわめて少なく、人体への影響は無視できる程度です。

 

 一方、野菜には多くの硝酸塩が含まれており、このうち一部が体内で亜硝酸ナトリウムに変化します。摂取量としては野菜のほうが圧倒的に多いので、危険性も添加物より野菜のほうが高い、ということになります」

 

 ソルビン酸は、細菌やカビの増殖を抑える保存料として、リン酸塩は肉の保水性を高めて食感をよくする目的で、それぞれ使用される。

 

 新潮はソルビン酸について「特定のヒト集団に過敏性反応、特に接触性蕁麻疹を起こすとの報告があり」と、食品安全委員会の評価書から引用し、警告している。

 

 またリン酸塩については「過剰摂取による成人病や腎臓疾患などへの影響が専門家により指摘されている」としている。

 

「ソルビン酸は、人の体内に入ると炭酸ガスと水に分解されます。危険性はありません。また、リンは多くの食品にもともと含まれ、必須栄養素でもあります。どんな物質でも過剰摂取すれば悪い影響が出るのは、当たり前ですよ。塩だってそうでしょう」

 

 アンチ添加物派の人たちに共通するのは「量の概念の欠如」だと長村教授は言う。

 

「その物質が安全か危険かは、量によって決まります。添加物の多くには、一日摂取許容量(ADI)が設定され ていますが、これは実験に基づき『一生食べ続けても何も健康障害が発症しない』と予測される量です。

 

 添加物の使用基準値は、このADIよりさらに低く設定されており、相当な量を食べないとADIには届きません。限りなくゼロに近いリスクを、あたかも深刻な問題だと騒ぎ立てているのが『アンチ添加物派』であり、新潮の記事なのです」

 

 実際にどれくらいの量を食べると「食べてはいけない」量に達するのだろうか。

 

 厚生労働省では、リンの「耐用上限量」を1日3000ミリグラム(18歳以上の男女)としている。これ以上摂取しつづけると健康への悪影響が出る可能性があるという値だ。

 

 文部科学省の日本食品標準成分表によれば、リンの含有量はソーセージで100グラムあたり190ミリグラム、ロースハムでは340ミリグラム。

 

 これで3000ミリグラムの上限量に達するには、ソーセージは1.58キログラム(1本20グラムとして79本)、ロースハムでは880グラム(薄切り1枚を11グラムとして80枚)食べる必要がある。

 

 実際に、これだけの量を食べつづける人はいるだろうか。またこの場合、リンの量以前に塩分や脂質などの量のほうが、より大きな問題になるはずだ。

 

「以前、ある生協が会員の要望を受けて、亜硝酸ナトリウムを使わない、無添加ハムを作ったことがあります」

 

 そんな例を話してくれるのは、消費生活コンサルタントの森田満樹氏。



「亜硝酸ナトリウムを使わないと、風味も色もよくなりません。亜硝酸ナトリウムには細菌の増殖を抑える働きもあるので、使わないと日持ちせず、開封したらできるだけ早く食べきらないといけません。

 

 おいしくない、見た目が悪い、日持ちしない、ということで、当時はあまり売れませんでした。無添加って、そんなにいいものではないんですよ」

 

 長村教授も「無添加主義」に危機感を覚えるという。

 

「週刊新潮が問題視する添加物のほとんどは、指定添加物です。指定添加物は安全性が確認されており、過去44年間、危険性が原因で排除されたものはひとつもありません。

 

 添加物の扱いも、時代によって変わっています。安全な添加物を排除することで、本当に健康な食生活を見失うことのほうが、明らかに健康に悪いのです」

 

 指定添加物とは、厚生労働大臣が指定するもので、食品衛生法にもとづき、使用が許可されている添加物。現在、454品目が指定されている。

 

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