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【目指せ不思議スポット】磁場がゼロになる「分杭峠」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.09.03 11:00 最終更新日:2018.09.03 11:00

【目指せ不思議スポット】磁場がゼロになる「分杭峠」

 

 世にパワースポットと呼ばれる場所は数あれど、「ゼロ磁場」なる切り口はわりとユニークな部類なのではないだろうか。

 

 長野県伊那市内の山中、標高1424メートルに位置する分杭峠は、磁場が発生しない稀有なスポットとして、近年人気を集めている。補足をするなら、ここは自然の “気” がたっぷり吐き出されているスポットで、その原因とされるのが「磁場がゼロであること」らしい。

 

 その恩恵なのか、分杭峠で気を浴びるうちに、「体調が良くなった」「持病の腰痛が治った」といった声が続出。今では運気を上げようという若い女性から健康長寿を求めるお年寄りまで、多くの人が気を浴びに来るようになった。

 

 ところで、そもそも磁場とは何なのか?

 

 地球が北と南の両端に磁極を持っていることは、誰しもご存知だろう。これがあるから方位磁石のN極は北に、S極は南に引っ張られるわけだが、その両極から発生する磁力が作用する空間のことを磁場と呼ぶ。

 

 言うなれば地球も1つの巨大な磁石であり、地球は自ら発する地磁気に包まれているのだが、何らかの理由でその作用が打ち消されるポイントが存在しているというのが、ゼロ磁場の概念だ。

 

 科学的な論拠がどれだけあるのかは不明だが、気の流れを制御しようとする風水の考え方にどこかで通じているようにも思える。

 

 ともあれ、僕らはこうして生活しているうえで、自覚なくとも常に磁気の中にある。それ自体は間違いのない事実だ。では、その磁気が皆無な空間に立つと、人は何を感じるのだろうか。

 

 さっそく現地に行ってみると、環境はたしかにいい。緑の香りと微かにそよぐ風が心地よく、山間から聞こえてくる野鳥のさえずりは最高のBGMだ。

 

 つまりは磁場がどうという以前に、良質の森林浴であるから、心身が癒やされるのは当たり前。それがなぜ、ゼロ磁場などと喧伝されるようになったのだろうか。

 

【目指せ不思議スポット】磁場がゼロになる「分杭峠」

 

 遡ってみると、分杭峠のブレイクは十数年前にテレビ番組で取り上げられたことが発端のようだ。なんでも、中国の高名な気功師がこの地を訪ね、ゼロ磁場と認定した事実が紹介されたことから、一気にパワースポットとして名を馳せるようになったらしい。

 

 ちなみにこの中国人気功師は、気功の聖地とされる中国の蓮花山(ここもゼロ磁場らしい)を発見した人物であるという。いわく、分杭峠ではその蓮花山以上の気が発生しているのだとか。

 

 正直にいえば、僕自身は磁場がどうという実感を得たわけではない。ただ、緑豊かなこの景勝地は、誰にとっても癒しの場となるはずで、疑似科学と決めつけてかかるのは少々もったいないように思う。

 

 初夏のドライブや秋の紅葉狩りの折りなど、散策スポットの1つにこの分杭峠を加えてみるのは一興だろう。なお、雪深い地域であるため、冬期はアクセスできないのでご注意を。

 

 

 以上、友清哲氏の新刊『消えた日本史の謎』(知恵の森文庫)から再構成しました。謎の構造物、おかしな物体、奇妙な伝承、未解明のパワースポット…不思議をめぐる旅の記録です。

 

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