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大阪大水害は他人事じゃない!被害にあったらどうすればいいの?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.09.21 06:00 最終更新日:2018.09.21 06:00
関空が使用不能になるなど、大きな被害を受けた関西地方。日本では、8月から10月にかけては、毎年大きな水害が起きる。では、実際に被災したら何をすべきか。まずは罹災証明書の申請用紙を自治体などから入手して必要事項を記入し、自治体に提出する。
被害状況にもよるが、発行まで1週間以上を要するので、支援金や保険金などの申請を早くしたい場合は、罹災証明書の代わりとなる罹災届出証明書を利用するといい。
こちらは罹災証明書を申請すれば即日、発行してもらえる。罹災証明書にある被害の程度によって、自治体からの支援額や公的支援の内容も変わってくるので注意したい。
もうひとつ、備えておきたいのが保険だ。損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの平野敦之氏はこう話す。
「現在の火災保険は、補償内容を選ぶシンプルなものがほとんど。水害時は『水災』という補償でカバーされます。水災の補償を外したり、付帯しないプランを選ばない限り、水災で補償されます。水災とは、台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石等をいいます」
ただし、水災の場合は必ず保険金が下りるとは限らない。
「一般的に、『建物などが床上浸水、または地盤面から45センチ超の浸水』『建物などが再調達価額の30%以上の損害』が支払いの条件。つまり床下浸水では支払われません。逆に火災保険は水災を外せば、かなり保険料は安くなります。
2011年の東日本大震災以降、自然災害等の増加により保険料の改定がおこなわれ、保険料は上昇傾向です。ハザードマップなどで自宅にかかるリスクを確認して、補償の取捨選択を考えるべきです」
また2016年暮れごろから、多くは新規に利用する場合だが、自然災害時に返済を一部免除する住宅ローンを取り扱う銀行も増えているという。
「被害の程度により、6回、12回、24回と一定期間分の返済額を免除するなどです。通常上乗せ金利が必要ですが、家を購入する人は、火災保険に加えてこうした選択もできることを知っておくといいでしょう」
【大都市圏「魔の8月~10月」】
●1993年8月27日 台風11号
東京都のJR御茶ノ水駅で線路下の地盤が崩れ、JR品川駅や営団地下鉄赤坂見附駅など都内143カ所で冠水被害。
●2000年9月8日~17日 停滞前線、台風14、15、17号
愛知県名古屋市で11日の降水量が平年9月の月降水量の2倍を記録。堤防の決壊や河川の越水で市内は水浸しに。
●2004年10月7日~9日 台風22号
神奈川県JR横浜駅西口の帷子川が氾濫。都内では東京メトロ南北線麻布十番駅で線路が冠水、渋谷駅前も冠水。
●2005年9月3日~8日 台風14号、前線
東京、埼玉で局地的に1時間に100ミリを超える豪雨。杉並区の善福寺川などが氾濫し、床上浸水は3000棟以上。
●2008年8月4日~5日 大気の状態不安定による大雨
東京都千代田区で1時間に59.5ミリの豪雨。豊島区では水道工事中の作業員がマンホールに流され、5名が死亡した。
●2008年8月26日~31日 8月末豪雨
東京都八王子市で集中豪雨、6河川が氾濫。京王線高尾~高尾山口間で土砂崩れ、JR高尾駅も泥水で麻痺状態に。
●2009年7月19日~26日 九州北部豪雨
中国、九州北部地方で7月の月間降水量が平年値の2倍近くとなる記録的な豪雨。竜巻、土石流、土砂崩れなどが発生。
●2010年9月4日~8日 台風9号
激しい豪雨で、港区では道路が浸水し、渋谷区や新宿区でもマンホールから噴水のように水が溢れ出た。
●2011年9月15日~9月22日 台風15号による暴風・大雨
関東地方では帰宅時間と台風上陸が重なり、交通機関が運休して帰宅困難者が溢れた。渋谷区では街路樹が倒れる。
●2012年8月13日~14日 前線による大雨
近畿を中心に局地的な大雨。大阪府枚方市では1時間降水量の記録を更新し、京都の観光地・嵐山では桂川が氾濫。
●2013年10月14日~16日 台風26号による暴風・大雨
東京都大島町では大規模土砂崩れで35名が死亡。千代田区で浸水、世田谷区の小田急電鉄下北沢駅は一部が冠水。
●2014年8月15日~20日 前線による大雨
広島県安佐北区などで線状降水帯が発生。1時間に100ミリを超える豪雨で大規模土砂崩れが起こり、74名が死亡。
●2015年9月7日~11日 台風18号等による大雨
茨城県を流れる鬼怒川が数カ所で越水し水没。同県常総市の3分の1が浸水し全半壊家屋が5000棟以上に。
●2017年10月21日~23日 台風21号及び前線による大雨、暴風
大阪、和歌山、京都などで、河川氾濫で浸水被害。東海道新幹線は東京~新大阪間で、30本以上が一時、立ち往生。
●2018年6月28日~7月8日 平成30年7月豪雨
1府10県に特別警報が出され、河川の氾濫で住家浸水や多数の土砂被害が発生。岡山県真備町などで200名超が犠牲に。
(週刊FLASH 2018年9月4日号)