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減り続ける退職金…「一時金」と「企業年金」どっちが得か
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.05 06:00 最終更新日:2018.10.05 06:00
人生100年時代を生き抜くには、アラフィフのいまからなら起死回生の逆転満塁弾が打てる。それには、まずはランナー(お金)を貯める作戦が必要だ。
「少子高齢化で公的年金の支給額が減り続けています。このため、政府は公的年金を補完するものとして『企業年金』に期待を寄せていますが、実情は『企業年金』も減少の一途をたどっています」と話すのは、人事ジャーナリストの溝上憲文氏だ。
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企業年金は退職金の一部で、退職金は退職一時金と企業年金の2つで構成される。企業年金には「確定給付年金」と「確定拠出年金」の2種類がある。
前者は受け取る年金額を企業が保証するもの、後者は企業が拠出した掛け金を従業員(加入者)が運用するもので、運用次第で年金額が変動する仕組み。運用利回りがよければ資産を増やせるが、“元本割れ” をしても、自己責任というわけだ。
「厚生労働省の『就労条件総合調査』の定年退職時退職金では、大学卒の管理・事務・技術職で、2003年が2499万円だったのが、2012年には1941万円まで減っている。
人事院が5、6年ごとに調査をしている退職金を見ても、 2011年と2016年を比べると大幅に下がっている。退職金は全企業で減少傾向にあり、今後、中小企業では1000万円出れば御の字といっていい」(前出・溝上氏)
減っていくばかりの退職金。どうしたら、1円でも多く受け取ることができるのか。ファイナンシャルプランナーの関口博美氏はこう語る。
「税金を抑え、少しでも多くもらいたい人は、一時金でもらったほうがいい。税の優遇である『退職金所得控除』が非常にきいているので、勤続年数と金額によって(勤続40年の場合、2200万円まで)、非課税となる。一方、年金を分割で受け取ると、運用されて総額が少し増える。
だが、税金や健康保険などの社会保障費がかかるので手取りが減ることもある。教科書的に考えるなら、断然、一時金でもらったほうが得だ。ただし、大金を手にするので、気持ちが大きくなって使ってしまうというデメリットも当然あります」
まずは自分の退職金を確認することだ。
(週刊FLASH 2018年9月11日号)