1956年3月、駐留米軍の軍属として初来日したJ・ウォーリー・ヒギンズ氏は、日本人女性と結婚後、国鉄の国際部の仕事を手伝うようになった。鉄道好きだったヒギンズ氏は、以後、趣味と実益を兼ねて日本中を旅し、当時貴重だったカラーフィルムで、鉄道写真を中心とした日本の風景を撮り続けた。
その貴重な写真を、順次公開していく。
●室戸(高知県)1962年5月24日
今は全くそういう印象はなくなったが、1957年に高知を訪れたときの第一印象は、日本の他の都市に比べると、戦後の発展からとりのこされたような感じがしたものだ。
写真では、室戸の道路はすでに舗装され、街灯も整備されていた。それでも、安芸から室戸に至る道筋や、人々の様子はなんとなく1世紀ほどタイムスリップしたような感覚を呼び起こした。
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写真はJ・ウォーリー・ヒギンズ氏の新刊『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』(光文社新書)から転載しました。半世紀以上の歳月を経て、なお色褪せない6000枚の中から、選りすぐりの382枚を、当時の思い出話とともに公開します。
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