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ヤクルト二軍監督「高津臣吾」プロで成功する素養は1つだけライフ・マネー 2018.11.23

 

 ヤクルトの二軍監督を務める高津臣吾が、プロとして成功するために必要な素養を考察する。

 

※ 

 

 プロとして成功する、あるいは生き残るために必要なものはなんなのか? 現役、そして指導者になってからの結論は、
「とんでもない『特徴』を1個持っているヤツ」
 というものだ。

 

 

 たとえば、投手としてすべてが合格点、スピードも140キロ出せて、コントロールもまずまずというバランス型の選手が居場所を見つけるのは難しい。

 

 それよりも、めちゃくちゃ球が速い選手や、とんでもなくコントロールがいいとか、えげつない変化球を持っている選手の方が将来性がある。目に見えない要素としては、どんな場面になっても動じない選手にもチャンスがある。

 

 突出した特徴を持つ選手を目にした時は、本当にワクワクする。

 

 僕がヤクルトに入った時、本当にびっくりしたのは「ギャオス」こと、内藤尚行のコントロールだった。

 

 内藤は僕と同い年だが、彼は高校からプロに入っていたのでヤクルトでは入団が4年先輩になる(ただし、日本のプロ野球界の場合、何年生まれかが「先輩・後輩」の関係性を決める。メジャーリーグだと、何年プレーしているかの経験年数によって決まる)。

 

 僕の入団当時、ギャオス内藤はすでに5年目を迎えてチームの中心的な存在になっていたが、キャンプのブルペンで見ていたら、キャッチャーが構えたところにボールがビュンビュン行く。それこそ百発百中だ。「プロって、こんなにコントロールがいいのか」と舌を巻いた。これは大変なところに来てしまったと思った。

 

 その横では、西村龍次が投げていた。西村も同級生で、高校から社会人のヤマハを経てプロ入りしていたので、ヤクルトで3年目を迎えていた。

 

 その西村のカーブがえげつなかった。昔でいうドロップのような感じで、今でいえばパワーカーブ。「えっ、なんだよ、このカーブは?」と思った。こんなんじゃ、絶対に勝てないと青くなってしまった。

 

 後輩では、1992年に入団してきた石井一久(現・東北楽天ゴールデンイーグルスGM)がヤクルトに入ってきた時もぶったまげた。粗削りで直すところはたくさんあったけれど、とにかく球が滅法速かった。

 

 たしか、巨人戦で駒田徳広さんの後頭部を通過する150キロの球を投げてしまった。駒田さんは「身体はしょうがないけど、頭はやめろ」と怒り、石井は「すみません!」と頭を下げていた。石井は先輩には腰が低い。とにかく石井はコントロールに問題はあったけれど、誰が見ても超一流の球を持っていた。

 

 石井はメジャーリーグでも制球で苦しんでいたかもしれないが、そのことでかえって打者からは狙い球が絞りづらくなることもある。明らかな長所があれば、そうした弱点を武器に変えることさえ可能だ。

 

 つまり、プロの世界は、ひとつの部分でとんでもなく秀でた人たちが集まっている場所なのである(超一流になると、それがいくつも備わっていることになる)。

 

 入団当時の僕のように、これじゃ生き残れないと思うのは当たり前だが、そこで自分の特徴を発見してほしいのだ。

 

 面白いもので、石井のように高卒で150キロ近い球を投げられる選手というのは、十中八九コントロールが悪い。

 

 プロの世界でコントロールが良いというのは、捕手が構えたところに100パーセント、コントロールできることを指す。ところが、豪速球投手は、いわゆる「逆球(捕手が構えたところとは逆方向にボールが行ってしまうこと)」が行ったり、もう、手がつけられなかったりする。

 

 反対に球が遅い選手でも、とてつもないコントロールを持っていたとしたら、プロで生き残れるだろう。

 

 フォーシーム(いわゆるストレート=直球)が135キロで、カーブ、スライダーも大した威力がないとしても、すべての球種を狙ったところに投げられれば大丈夫だ。ただし、百発百中でなければならない。

 

 巨人の上原浩治などは、ストレートとフォークの2種類の球しかないけれど、抜群のコントロールだけでなく、投球フォームで球種の見分けがまったくつかないので、スペシャルな投手になっている。

 

 プロとして活躍するために、どんな特徴を持つべきなのか。僕は分かりやすいという意味で、「思い切り投げろ」「思い切り打て」と声をかける。頭を使っていない、調子のいい言葉に聞こえるかもしれないが、それがとんでもない特徴を発見するいちばんの近道だからだ。

 

 160キロのストレートを投げられるなら、それは全世界でも数えるほどしかない才能だ。打球を遠くまで運ぶことも同じ。それに、そうした選手には「華」があるから、ゼニが取れる選手になれるのだ。

 

 

 以上、高津臣吾氏の近刊『二軍監督の仕事~育てるためなら負けてもいい』(光文社新書)をもとに再構成しました。 定評ある育成・指導方法と、野球の新たな可能性を語りつくします。

 

●『二軍監督の仕事』詳細はこちら

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