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生産台数1日1台「光岡自動車」スーパーカーで世界に羽ばたく

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.11.29 16:00 最終更新日:2018.11.29 16:00

生産台数1日1台「光岡自動車」スーパーカーで世界に羽ばたく

 

「あんな車が好きだわ」

 

 ある日、妻の副社長が呟いた。本社ビルの窓から見えたのは、真っ赤なフェラーリのテスタロッサだった。

 

「『1930年代の車を作るのは難しいが、現代の車を作るのは簡単よ』と言ったら、『作ってよ』と。ほったら、俺も作れんとは言えなくなってしまって。スーパーカーを作ることになったわけよ(笑)」(進会長、以下同)

 

 富山の小さな工場で、ゼロからスーパーカーを作る。ドラマ『下町ロケット』のような夢物語が始まった。

 

「開発に年間2億円の予算を割いたけど、5年かかった。このころには、会社内でも『もう開発部を潰せない』という雰囲気があった。

 

 儲けを考えたらできない。とにかく、作りたいという一心で続けた。開発費の10億円を回収する発想はまるでなかった」

 

 2006年10月、純日本製のファッションスーパーカー「オロチ」が誕生。大蛇をイメージしたフェイスは、世界中に衝撃を与えた。

 

「『オロチ』のおかげで、うちは海外でも知られるようになった。自動車作りは夢がないとつまらん。人間と同じで、色っぽさが大事。

 

 50年間続けてこられたのは、みんな(他社)が儲からないとわかっていることをやったから。日本ではなかなか、メーカーごっこができんのよ」

 

 光岡自動車グループは、輸入車販売業を中心に年商231億円(2017年)を誇る。その7.5%を売り上げる開発事業部が、夢の車を作り続けている。

 

「宇宙の法則は『78対22』。俺は22の意見を尊重する。絶対損する、と言われるほうがじつは正しいんよ。商売は危険なことをやらなきゃいかん。断崖があるから行かないのではなく、行ってみて、突破する可能性を見つける」

 

 本誌は富山の横野工場を訪ねた。車は一台一台、手作業で丁寧に組み立てられていた。生産台数は1日1台。これこそが、「光岡品質、光岡プライド」だ。

 

(週刊FLASH 2018年11月27日号)

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