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あなたの知らない「プラチナカードの世界」年13万で…
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.11.30 16:00 最終更新日:2018.11.30 16:00
年会費無料のものがある一方で、何十万円もするものも存在する……。クレジットカードは不思議な存在だ。年会費がバカ高い「ブラックカード」「プラチナカード」の価値と手に入れ方を検証する。
クレジットカードに詳しい菊地崇仁氏が語った。
「アメリカン・エキスプレス(AMEX)が発行する『プラチナ・カード』はこれまで、同社のウェブサイトでも案内がありませんでした。それが、テレビCMやウェブ広告、同社のウェブサイトで情報公開を始めたのです」
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「プラチナカード」はいまや一般名詞だが、もとはAMEXが始めたもの。それまでのAMEXの上位カードだった「ゴールド・カード」が人気になり、他社が同様のカードを相次いで発行。そのため、さらなる差別化を目的に生み出されたのだ。
さらに、この「プラチナ・カード」も模倣された結果、さらに上位の「センチュリオン・カード」が発行された。
「券面が黒いため『ブラックカード』と呼ばれるのがこれです。年会費は税別35万円、初年度は入会金が別途、税別50万円。サービスの詳細は、カードホルダー以外には明らかにされていません」(菊地氏)
セレブにのみ招待状が送られるブラックカードは「史上最強のカード」といわれ、ネットでは「あの芸能人は持っている」といった噂が飛び交っている。
本誌は、名前の挙がっていた著名人に取材を申し込んだ。すると、CMでも有名な大物病院経営者T氏は、担当マネージャーから「持っています。でも、持っている方はたくさんいるんじゃないですか」と返答があった。
「最強」といわれる理由のひとつに、利用限度額が決められていないことが挙げられる。
「引き落とし口座に事前入金(デポジット)しておけば、その額まで利用できます。1000万円でも、1億円でも。まるでドラえもんの四次元ポケットです」(カード業界関係者)
さすがにブラックカードは夢だが、サラリーマンがプラチナカードを持つのは可能だという。
「年会費数万円で、使える特典、サービスがたくさんあります。たとえばコンシェルジュをうまく使えば『頼れる秘書』になります」(菊地氏)
センチュリオン・カードは無理でも、AMEXの「プラチナ・カード」なら現実的。普通のサラリーマンであるNさん(45)も、8年前にインビでプラチナに変更した。AMEXのゴールド・カードで、使用実績を積み重ねた結果だと分析する。
「私がプラチナ・カードに入会した当初の年会費は、税別で10万円でしたが、数年してから税別13万円に値上げされました。そのぶん、年に一度のホテル無料宿泊券と、2人以上でレストランを利用すると1人分のコース料金が無料、という特典が追加されたので、実質的には相殺されている気がします。
プラチナ・カードを持っていて助かるのは、なにより空港のラウンジです。プライオリティ・パスで入れるラウンジのほか、AMEXのプラチナ・カード以上の会員が入れる専用のラウンジが、世界各地の空港にあるんです。
仕事柄、香港によく行くのですが、香港国際空港にも2017年秋、専用ラウンジが出来ました。入ると立派なバーカウンターが中央にあり、シャンパンやワインが飲み放題。カクテルも、バーテンダーがいくらでも作ってくれます。
さらに奥に進むと、セルフサービスのフードコーナーがあります。香港だけあって、飲茶のメニューが充実していて、どれもおいしい! 香港は街中が雑然としているので、仕事が終わったら、早めに空港に行って、ここで時間をつぶすようになりました。
ちなみにセンチュリオン・カードの会員なら、さらにこのラウンジの奥に別室に通され、セルフサービスではなくフルサービスでコース料理が食べられます。
最近になって、AMEXから『現在のプラスチック製のカードを金属製のカードに変更できる』という連絡が来ました。希望者はその旨を伝えればすぐに変更でき、希望者でなくてもカードの更新時には、自動的に金属製のカードに切り替わるそうです。
金属製のカードは、重くて高級感があるのはいいのですが、鉄道の券売機などでは使えない場合があるので、プラスチック製のセカンドカードも同時に届くとのことです。まったくの『見栄』だけなのですが、おもしろそうなので申し込んでみようかな、と思っています(笑)」
※エピソードの中のサービスなどはカード保有者が体験したもので、カードの発行会社が公表・公認しているものではありません
(週刊FLASH 2018年11月27日号)