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【食堂のおばちゃんの人生相談】50歳・公務員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.03 11:00 最終更新日:2018.12.03 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/クラゲさん(50) 公務員】
妻は社交的でよく友人宅のパーティに参加します。私はそういう場は苦手なのですが、妻が最近「老後のために友達を作ったほうがいい」と、私を連れていこうとします。
私には苦痛でしかありません。やめさせる方法はないでしょうか?
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【山口先生のお答え】
クラゲさんのお悩みを伺っていたら、大昔のアメリカ製テレビドラマにまつわる想い出が蘇りました。あの頃のアメリカの家庭ではよくホームパーティが開かれていて、基本夫婦揃って参加なのです。
我が家は、父は外で呑んで午前様で、家でパーティなんかあり得なかったので、私が「アメリカは良いなあ」と言うと、母に「冗談じゃない。家でパーティなんか開いたら準備も後片付けも大変だし、パパの友達夫婦なんか呼んだってクソ面白くもないわ!」と一蹴されました。
今になると、母は正しかったと思います。 日本で花柳界が発達したのは、家庭で接待する煩わしさを避ける意味もあったのでしょう。それに、いまや仕事を持つ女性も増えて、夫に付き合ってばかりはいられません。
私はクラゲさんが無理をして苦手な場所に出かけて行く必要はないと思います。しかし、奥さんの心配もわかります。定年退職後、夫が家に引きこもって鬱状態になったり、“濡れ落ち葉” になったりするのを防ぎたいのです。
でも、そのためにはクラゲさん自身が楽しめる場所を見付けることが肝要です。仕事以外で好きなこと、興味のあることは何かありませんか? サイクリングとか絵を描くとか呑み歩きとか。
何でも良いんです。好きなことを見付けて、趣味のサークルに参加してみて下さい。そうすれば奥さんは安心して、無理強いしなくなります。蔵元巡り、楽しいですよ。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。最新刊『婚活食堂』が発売中
(週刊FLASH 2018年12月11日号)